せつなくなるから散らないで紅葉燃え盛るような秋は過ぎてただただ虚しい空模様踏みしめる枯葉も消えうせてまるでもとからなかったかのよう僕らの恋は初めからずっと生温かい春の音の中ただ甘いだけで続いていいのかそうして続いていくのか花びらをそっと撫でて露を拭う茎をなぞる甘美の果て一条の光もただ刹那大きな喪失感とわずかな充足感ただただ虚しい午前二時散らないで紅葉僕らの恋を照らしてよ
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