ホーム > 詩人の部屋 > 猫の影の部屋 > ブラインドの隙間。

猫の影の部屋


[518] ブラインドの隙間。
詩人:猫の影 [投票][編集]

星はどこかに押しつぶされて

月の光は届かない


矛盾や裏切りを抱えて

僕らの胸はジクジクと痛む

傷口はうまく塞がらない


君の笑顔やよく汗ばむ手の平も

その全てを抱きとめたくて

どんなに血が流れても

そのために何を失っても

それだけは守りたくて



生命はまんまと削ぎ落とされて

声もふるわない


思い込みも真実すら呑み込んで

僕らの胸はジクジクと痛む

傷口はいつまでも濡れている


君の声もよく涙流れる目尻も

その全てを受け止めたくて

どんなに馬鹿げていても

そのために蔑まれても

それだけを守りたくて



矛盾や裏切りを抱えて

僕らの胸はジクジクと痛む

傷口はうまく塞がらない

それでも、僕らはこの手を離さなかった

離せなかった、この手だけは

2011/07/22 (Fri)

前頁] [猫の影の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -