詩人:そほと | [投票][編集] |
風に吹かれておりますよ
詩・曲 そほと
風に吹かれておりますよ
浜に座っておりますよ
お日様照っておりますけれど
私は胸を抱いてます
きつくきつく抱いてます
ぽっかり空いたこの穴は
めくれて私を消すでしょう
あなたを無くしたその果てに
私も無くしてなるものか
けっして
無くしてなるものか
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うそ寒い風呂の
ぬるい湯につかっている
突風が
煙突を塞いで火が消えるのだ
今朝もこの風でドアのガラスが割れた
うそ寒い風呂の
ぬるい湯につかっている
みどりの
ぬるい湯につかったまま
メントールのアワを左手に
ジレットのカミソリを右手に
この強情な髭をいつまで
剃りつづけるのだろうかと
ゆらり ゆらり 時が
過ぎて行く
外は
降水確率20%の雨が
降っている
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はじめに
ゆびきりげんまん
おしえてくれたのは
おかあさん
さいごに
ゆびきりげんまん
してって言ったら
きっとあなたは
あのやさしい目をして
小指を出したでしょうね
いつも いつも
こんなボクのわがままに
つきあっちゃう
人なんだから
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詞・曲 そほと
かざぐるまが回るので
ぼくは子供にもどってしまいます
くるくる勢いよく
かざぐるまが回ってしまうので
ぼくも勢いよく走りだしたくなって
やっと自分の年に気づくのです
かざぐるまは
かざぐるまは
青空も曇り空も関係なく回るので
ぼくは飽きて大人になったのです
かざぐるまは
かざぐるまは
始めにおかあさんから手渡されたものだから
ときどき大人に飽きたら
かざぐるまを探すのです
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自分で書いておきながら
理解できない詩がある
「チーひくチーひくチーひくチ かあさんがしんだ」
インスピレーションで書いて
本能が
「これで良し」という
せめてもう少し
なんとかならないかと思うのだが
たすことも
ひくことも
耳をふさぐことも
捨てることも
できない
そこへもってきて
本能が
「これで良し」という
「チーひくチーひくチーひくチ かあさんがしんだ」
朝食のタマゴに
血がまじっていた
命をそまつにしては
いけないのだから
食べることに決める
詩人:そほと | [投票][編集] |
帆先をつまめば舳先と変わる
舳先をつまめば帆先と変わる
だまし舟
だまし舟
何度やってもだまされる
あなたから生まれたと
やっと解った時あなたはいない
あなたは死んで居ないのに
感じるあなたは増えてゆく
だまし舟
だまし舟
いつまでたっても
だまされる
詩人:そほと | [投票][編集] |
たまごたまごはなぜたまご
たまごと呼ばれているのでせう
たまごは霊固の姿にて
丸くあるのがさだめなり
たまごたまごが霊固なら
たまご死すればなんとする
霊固は姿を変えるとも
ほどけて死なぬがさだめなり
たまごたまごが死なぬなら
なぜに私は泣くのでせう
母を亡くして淋しいと
なぜに私は泣くのでせう