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そほとの部屋  〜 投稿順表示 〜


[21] あいあいがさ
詩人:そほと [投票][編集]

浜に書いた
あいあいがさの
あなたの名だけ
流されて
泣きじゃくっておりました
だって
波はあの人
寄せてはくれませんもの



2009/01/29 (Thu)

[22] 
詩人:そほと [投票][編集]

人よ踏め
踏んで 踏んで
踏み固めるがいい
やがては一本の
大きな木を
支える事が出来るように



2009/01/29 (Thu)

[23] 悲しい時は夜の虹をあおげ
詩人:そほと [投票][編集]

                 詩・曲 そほと

悲しい時は
夜の虹をあおげ

穴倉で
グラスの底の自分を
喉の奥に放り込んでいるのは
誰だ

お前のラブレターは
飛びすぎる紙飛行機
360度砥いでしまった刃物
圧縮されてダイヤになった砂糖は甘くない
映り過ぎる鏡はキラワレル

悲しい時は
夜の虹をあおげ

強がる小心者は
他人を傷付け
優しすぎるあんたは
自分を傷付け
誰かに助けを求めてみたところで
他人の涙は他人のままだし
為すすべも無く
達磨になって七転び八起き
耐えてばかりいたんじゃ
救われぬ

泣くだけ泣いたら
気が済んだかい
悲しみって水は
絞り出してしまいなよ
さぁ涙を拭いて窓を開けよう
月が見えるかい
星がまたたいているかい

悲しい時は
夜の虹をあおげあおげ

有りもしない物を
有ると信じるくらい
いいかげんな方がいいのだ



2009/02/24 (Tue)

[24] しょうがないな
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万華鏡
あやめが出来たと
見せたがり
さくらが出来たと
見せたがる母

しょうがないな



2009/01/29 (Thu)

[25] 蓄音機自転
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根を針
血のレコードを
スイセンラッパ歌えば
春は昔も今も



2009/01/29 (Thu)

[26] なみだの目
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なみだの目
まばたきもせず
ほほをしめし
うす紅いくちびる
かたくむすぶ
ふうわりと
風が髪をみだし

ぼくの手が
あなたの肩にある
すきだよ

ひとことで



2009/01/29 (Thu)

[27] あのね坊や
詩人:そほと [投票][編集]

あのね坊や
こおろぎはね
コロコロ コロコロって
鳴くんじゃないんだよ
こころ こころって
鳴くんだよ



2009/01/29 (Thu)

[28] 脱皮
詩人:そほと [投票][編集]

泣き出しそうな雲
カラスが捨てゼリフを吐いて
何処かへ消える
嗚咽を漏らしながら糸を引いてゆく水滴
冷たく突き放すトタン屋根
肩をふるわせころがり落ちてゆく
死にぞこないのコオロギ
十字架を背負ったコオロギに
口を開けるマンホール
暗黒の中の底知れぬ海
波打つうわばみの腹の中
エサを求める働き蜂の群れ
ヴームという羽音が
重なり合い ぶつかり合い
空間の一部を占領する
一本の枯れ木が
芽を吹き 葉を付け 造花を咲かせ
禁断の木の実をぶら下げる
冬眠から覚めたヘビが
食べろと言う
俺には
断る理由がない
何処かで
コヨーテの遠吠えがこだまする
けばけばしいトゲで
着飾ったサボテン
ざわざわと ゆれる
息が詰まる
意識らしきものが薄れてゆく
また遠くでコヨーテの
いや ちがう
人の声 歓喜の声 狂気の声
そして背後彼方で
さよならの 声



2009/01/29 (Thu)

[29] バニラエッセンス
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バニラエッセンスは
おかあさん

小さな頃の思い出の
おかあさん
お手製のアイスクリーム
おべんと箱の
アイスクリーム
ほんのちょっとだけ
いれましょね
バニラエッセンス

大人になって舐めて見た
さぞかし甘い
母の味
以外や苦い
母の味

それから
おかあさんの詩が
書けるようになったのかも
しれませんね



2009/01/29 (Thu)

[30] 風 問わず語り
詩人:そほと [投票][編集]

海をわたって
陸をころがって
山にあたって
二つになってからまって
この先 ずっと先に
ひっそり暮らせる盆地があるんだと
風車を回した風の
問わず語りのその表情から
何も読み取れない私でした



2009/01/29 (Thu)
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