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そほとの部屋  〜 投稿順表示 〜


[61] 
詩人:そほと [投票][編集]

こたつで
ミカンに爪をたてる指
おはしを
じょうずにつかう指
魔法の
ように毛糸を編む指
ボタンを留めてくれる指
ナミダを拭いてくれる指
母さんは
ボクが生まれるずっと前から
やさしく やさしく してくれた
夜降る雪が
静かなように
春咲く花が
綺麗なように



2009/01/30 (Fri)

[62] 帰ろう
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車が通れば
すすきが揺れる よいよい
きっかり2回揺れる よいよい

いつもの野良猫が
のんきにエサを待ってるはずだ

川の横の県道
夕日もやわらかくなっている
帰ろう

車が通れば
すすきが揺れる よいよい



2009/01/30 (Fri)

[63] ゴムまり
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ゆっくり流れたら
ひろわれました

はずまぬ私は
捨てられました

ゆっくり流れたら
また拾われました

はずまぬ私は
また捨てられました

人には
目が見えるそうな

はずむにはずめぬ
私だもの

はやく海に
抱かれたい

はやく海に
抱かれたい

ゆっくり流れたら
また拾われました

はずまぬ私は
また捨てられました

人には愛が見えるそうな
見えない瞳でなぜ見えましょう

人には幸せ見えるそうな
私には黒い空ばかり

はやく海に
抱かれたい

はやく海に
抱かれたい



2009/01/30 (Fri)

[64] スキップみたいなあるきかた
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石 ゴロゴロの草のみち
きょうはお父さんと おさんぽだから
いつもより うんと
手をふって



2009/01/30 (Fri)

[65] 斜面にフィット
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遠賀川の土手に
ひなたぼっこがてらの
おばあちゃん
腰の曲がり具合が
つくし取り



2009/01/30 (Fri)

[66] 夜と朝との合戦で
詩人:そほと [投票][編集]

ボタ山越しの山並みは遠く
遠く
更に遠くが
夜と朝との合戦場である

常に血を流し
稜線を紅く染めるのは

その敗走ぶりは
悪魔であろう

しかしだ

私が驚くのは
その敗走ぶりではない
あの  夜に
紅い血が
流れていたことだ



2009/01/30 (Fri)

[67] おかあさんの手
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ゆりかご
手品師
こもり唄

最後はいっつも
ねむるボク



2009/01/31 (Sat)

[68] 笑ってくれ
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裏返しでくるくる回るカナブン
小さなつむじ風に捕まったのだな
ゴミと一緒に回っているから
淋しくはないのだろう そうだろう
笑ってくれよ
幼児のように笑ってくれ
私は淋しいのだ



2009/01/31 (Sat)

[69] 見えぬ瞳
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                 詩・曲 そほと

わたしの
見えぬ瞳が動くのは

あなたの姿を追う時と
あなたとの子を
追う時と

わたしが
見えぬ瞳をつむるのは

眠った時と
あなたが抱いて
くれた時



2009/02/24 (Tue)

[70] 
詩人:そほと [投票][編集]

ひしめく団地の
わずかに残された地面に
一本のやせた梅ノ木
いたずら小僧どもが
ゆさぶっている

カラカラに乾いた
薄情な北風に耐え
やっと実らせた蒼い実
いたずら小僧どもよ
ゆさぶってくれるな
この確かな実りの重たさを
もうしばらく
もうしばらく
味あわせてやれ



2009/01/31 (Sat)
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