詩人:そほと | [投票][編集] |
ひらかなが白い湯気になって
窓から夜空に逃げて行くのを
湯船に浸かって眺めていた
たからもののおもちゃがなくなるのと
おかあさんがいなくなるのと
どっちがいい?
小さい時見てた月は
もっと綺麗だったと言った母の横顔に
手が届きそうな
詩人:そほと | [投票][編集] |
全てが在る無の世界に
初めて誕生した命
生きることが喜びでなかったら
その瞬間死ぬと思うね
だァ・かァ・らァ
生きる苦しみは錯覚なんだってば
この大馬鹿ヤロー
詩人:そほと | [投票][編集] |
おんな
恋する
美しい
花も
恋する
美しい
とろり とろり
蜜のように思い出すのは
甘すぎて痛くなる胸
この花のような人
知ってます
誰かに恋して
いたことも
詩人:そほと | [投票][編集] |
赤ん坊の
すわらない首
ささえていた左手が今
本の背中をささえている
ページの
めくり方も個性かな
ペロリ
指を舐めてみる
赤ん坊の
泣かない深い夜に
静かな自分の息が
聞こえる
詩人:そほと | [投票][編集] |
チ・ヨ・コ・レ・イ・ト
じゃんけんぽん
パ・イ・ナ・ツ・プ・ル
買い物カゴ下げたかあさん
この時ばかりは負けてくれなかった
いつだって先に上がって
おかえりなさいを言うんだ
チ・ヨ・コ・レ・イ・ト
じゃんけんぽん
今もたぶん続いているんだ
じゃんけんはしなくなったけどね
あと一回だけ
きっと言ってくれるんだ
おかえりなさいって
チ・ヨ・コ・レ・イ・ト
パ・イ・ナ・ツ・プ・ル
グ・・リ・・コ
詩人:そほと | [投票][編集] |
田んぼの土が染み込んだら
こんな色の肌
そのどこかの親父の
サンダルを履いた指は4本
深爪の周りが白っぽく
隠れた小指は人生
ガソリンを補給した原付のギヤを
ロー セコ サード
で 見えなくなった
夜の道路のサンダルに
親父は隠れて見えない小指
詩人:そほと | [投票][編集] |
手の届かない処に
雲はある
音符の雨が
池に音色の波紋を広げる
あやめは
ただ立っている
ただ立っているだけで紫の
幻想の舞を舞う
私は観客になる
花盗人になれぬ私は
行儀の良い観客になる
詩人:そほと | [投票][編集] |
帰ってきた一人の部屋
カップの中の夜の海
おだやかに揺れる方舟
選ばれし者と選ばれざるもの
・・ ・・・・・・・さてっと
泣いているのは
スプーンに映った顔だけにしましょ
詩人:そほと | [投票][編集] |
雪解け水
走る
わんぱく坊主の本領発揮
走る走る走る走る
純白よそ行きで眠りの役目に
痺れを切らしてた雪解け水
そこらじゅうの水路を走る走る
走る走る走る
盛り上がり
乗り越え
ぶっかり
跳ね上がり
走る走る走る
川ニナをころがし
メダカを驚かし
走る走る走る
陽光は慈父の眼差し
う〜らら