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そほとの部屋  〜 新着順表示 〜


[117] 月が近くて
詩人:そほと [投票][編集]

ひらかなが白い湯気になって
窓から夜空に逃げて行くのを
湯船に浸かって眺めていた

たからもののおもちゃがなくなるのと
おかあさんがいなくなるのと
どっちがいい?

小さい時見てた月は
もっと綺麗だったと言った母の横顔に
手が届きそうな



2009/02/01 (Sun)

[116] だから(俺)
詩人:そほと [投票][編集]

全てが在る無の世界に
初めて誕生した命
生きることが喜びでなかったら
その瞬間死ぬと思うね
だァ・かァ・らァ
生きる苦しみは錯覚なんだってば
この大馬鹿ヤロー



2009/02/01 (Sun)

[115] 花は歌う
詩人:そほと [投票][編集]

鳥がさえずるのは
恋の季節だからで
花が咲くのも
恋の季節だからで
花が歌っていないと
思い込んだのは
いつの時代からだろう



2009/02/01 (Sun)

[114] カンナ
詩人:そほと [投票][編集]

おんな
恋する
美しい

花も
恋する
美しい

とろり とろり
蜜のように思い出すのは
甘すぎて痛くなる胸

この花のような人
知ってます

誰かに恋して
いたことも



2009/02/01 (Sun)

[113] 静かな夜
詩人:そほと [投票][編集]

赤ん坊の
すわらない首
ささえていた左手が今
本の背中をささえている
ページの
めくり方も個性かな
ペロリ
指を舐めてみる

赤ん坊の
泣かない深い夜に
静かな自分の息が
聞こえる



2009/02/01 (Sun)

[112] チ・ヨ・コ・レ・イ・ト
詩人:そほと [投票][編集]

チ・ヨ・コ・レ・イ・ト
じゃんけんぽん
パ・イ・ナ・ツ・プ・ル

買い物カゴ下げたかあさん
この時ばかりは負けてくれなかった
いつだって先に上がって
おかえりなさいを言うんだ

チ・ヨ・コ・レ・イ・ト
じゃんけんぽん

今もたぶん続いているんだ
じゃんけんはしなくなったけどね
あと一回だけ
きっと言ってくれるんだ
おかえりなさいって

チ・ヨ・コ・レ・イ・ト
パ・イ・ナ・ツ・プ・ル
グ・・リ・・コ



2009/02/01 (Sun)

[111] 小指
詩人:そほと [投票][編集]

田んぼの土が染み込んだら
こんな色の肌
そのどこかの親父の
サンダルを履いた指は4本
深爪の周りが白っぽく
隠れた小指は人生
ガソリンを補給した原付のギヤを
ロー セコ サード
で 見えなくなった
夜の道路のサンダルに
親父は隠れて見えない小指



2009/02/01 (Sun)

[110] あやめ
詩人:そほと [投票][編集]

手の届かない処に
雲はある
音符の雨が
池に音色の波紋を広げる


あやめは
ただ立っている

ただ立っているだけで紫の
幻想の舞を舞う

私は観客になる
花盗人になれぬ私は
行儀の良い観客になる



2009/02/01 (Sun)

[109] 泣いているのは
詩人:そほと [投票][編集]

帰ってきた一人の部屋
カップの中の夜の海
おだやかに揺れる方舟
選ばれし者と選ばれざるもの
・・ ・・・・・・・さてっと
泣いているのは
スプーンに映った顔だけにしましょ



2009/02/01 (Sun)

[108] 雪解け水走る
詩人:そほと [投票][編集]

雪解け水
走る

わんぱく坊主の本領発揮
走る走る走る走る

純白よそ行きで眠りの役目に
痺れを切らしてた雪解け水
そこらじゅうの水路を走る走る
走る走る走る

盛り上がり
乗り越え
ぶっかり
跳ね上がり
走る走る走る

川ニナをころがし
メダカを驚かし
走る走る走る

陽光は慈父の眼差し
う〜らら



2009/02/01 (Sun)
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