詩人:そほと | [投票][編集] |
私は今
知らぬ間に迷路へ入り込んだようだ
どうやら一部
記憶が飛んでいる
自分が何処へ行こうとしているのか
これから何をすれば良いのか
今 何をすべきなのか
まるで判らない
いや 判っているのかも知れない
すべき事もたくさん知っているのだ
だが 出来ない
心が止まっている
一箇所で堂々巡りしている
何かに引っ掛かっている
思考力が鈍い
靄が懸かっている
妙に苛立っている
やたら眠い
頭が眠りたがっている
疲れているのは確かだ
肉体的にではない 霊的に疲れている
何か一つ
秩序を取り戻さねば
このまま沈んでしまうのだろう
自分が嫌いになっている
以前程ではない
自分を殺そうとまでは行っていないらしい
何を取り敢えず
取り戻すべき 秩序は
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詩・曲 そほと
こころのどこかの
まるいもの
ころころ ころころ
ころがって
どこにあるのか
わからない
こころの広さは
どのくらい
ころころ ころがる
ものに聞け
ころころ ころころ
ころがって
どこにあるのか
わからない
むかしの恋も
かどが取れ
ころころ ころげて
いるのやも
ころころ ころころ
ころがして
ころころ 笑う
人になろ
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水子地蔵の哀しさは
両親絶えてもそこに在ること
せめてもの救いが
石でこしらえてもらったこと
ナムアミダブツと風が唱えれば
水子地蔵 五劫の擦り切れ
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詩・曲 そほと
私の特別な人は
さくら湯に特別な想いがあるらしく
厳かにその作業を終えた
私の特別な人は
幼い私と妹を
お行儀良くちゃぶ台に座らせると
うやうやしく運んできた硝子の小瓶から一つまみ
湯に沈めた
無言で見入る私たちに満足すると
静かにその世界へと入って行った
湯の中で
私の特別な人は私の知らない少女で
うすいピンクの花びら
ゆらゆらくるり と
動いていました
この不思議な今の後には
いつものように
毛糸を編むこの人の背に寄り掛かって
見る絵本をどれにしようかと
考えている私でした
私の特別な人は
おかあさんと言います
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ひしめく団地の
わずかに残された地面に
一本のやせた梅ノ木
いたずら小僧どもが
ゆさぶっている
カラカラに乾いた
薄情な北風に耐え
やっと実らせた蒼い実
いたずら小僧どもよ
ゆさぶってくれるな
この確かな実りの重たさを
もうしばらく
もうしばらく
味あわせてやれ
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詩・曲 そほと
わたしの
見えぬ瞳が動くのは
あなたの姿を追う時と
あなたとの子を
追う時と
わたしが
見えぬ瞳をつむるのは
眠った時と
あなたが抱いて
くれた時
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裏返しでくるくる回るカナブン
小さなつむじ風に捕まったのだな
ゴミと一緒に回っているから
淋しくはないのだろう そうだろう
笑ってくれよ
幼児のように笑ってくれ
私は淋しいのだ