詩人:そほと | [投票][編集] |
詩・曲 そほと
ただ
貝のペンダント
あなたがくれたわたしの海
山に育って海を知らない
あなたが海
波は電話のあなたの声
波にわたしはゆらされて
ただ
貝のペンダント
抱きしめて
嫁ぎ先まで持ってきた
こっそりないしょで持ってきた
こわれても
まだ抱いてます
こわれた海を
抱いてます
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風が引っ掻き回す夜
雲に隠れたと見えた星
実は逃げ去った
昼間の怒りがくすぶっている私は
眠れない夜を風のせいにする
誰か
ホットミルクにシナモンを
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窓を多めに開けて
タバコに火を点ける
「もう ヘッドライトはいらんなァ」
と 独り言
さあて今日も仕事と
つま先に力を入れて
バク転一発
狭い車内
朝まずめのエラ洗い
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たまごたまごはなぜたまご
たまごと呼ばれているのでせう
たまごは霊固の姿にて
丸くあるのがさだめなり
たまごたまごが霊固なら
たまご死すればなんとする
霊固は姿を変えるとも
ほどけて死なぬがさだめなり
たまごたまごが死なぬなら
なぜに私は泣くのでせう
母を亡くして淋しいと
なぜに私は泣くのでせう
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帆先をつまめば舳先と変わる
舳先をつまめば帆先と変わる
だまし舟
だまし舟
何度やってもだまされる
あなたから生まれたと
やっと解った時あなたはいない
あなたは死んで居ないのに
感じるあなたは増えてゆく
だまし舟
だまし舟
いつまでたっても
だまされる
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自分で書いておきながら
理解できない詩がある
「チーひくチーひくチーひくチ かあさんがしんだ」
インスピレーションで書いて
本能が
「これで良し」という
せめてもう少し
なんとかならないかと思うのだが
たすことも
ひくことも
耳をふさぐことも
捨てることも
できない
そこへもってきて
本能が
「これで良し」という
「チーひくチーひくチーひくチ かあさんがしんだ」
朝食のタマゴに
血がまじっていた
命をそまつにしては
いけないのだから
食べることに決める