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高級スプーン似の部屋  〜 新着順表示 〜


[565] 首なしホロウに口づけを
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自分の首を絞めるくらいなら
その首刈り取って
肌身離さず持ち歩けばいい
いままで手に入らなかった大切なもの
探していた自分がそこに在る
生きているとは言えないが
死に急ぐよりはるかにマシだ
これ以上
言葉にしても蛇足になるけれど
蛇の足など本来在りもしないもの
だったら
在りもしない話を語られて
頷くお前のその首も
さっさと刈り取った方がいいかもな

お互い首を差し出して
虚ろな顔同士
口づけすれば
照れて真っ赤な嘘になる

それこそ
B級ホラー
みたいなお話に


2016/05/23 (Mon)

[564] えぬ
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昇る朝陽 沈む夕陽
夜が来てまた朝が来る
一日が過ぎ
一週間一ヶ月と月日は流れ
春夏秋冬 変化する四季
一年は過ぎ十年数十年
一世紀も経てば
景色も景色を目にする生物も変化する
移ろう地球の上
「変われない」という嘆き溜め息は
どれほど無意味なのか
無為に過ごし無意識に
漠然とした不安を感じても仕様がない

ある日
ぴたりと時が停まった
地球は太陽の周りを回るのを止め
自ら回転することも止めた
太陽が消失したならば
足元からすべては凍りつく
四季のない北も南もない一個の巨大な氷塊に
万物は成長するのを止め
思考停止 心を閉ざした
時が停まり 変化のない
輝きもクソもない暗闇に包まれた世界
ただ
意識だけが
あったなら
「変わりたい」と思うだろうか

季節があれば夏らしい
吐く息があれば白いかもしれない
時のない場所
在りもしない妄想だ
足元を見るまでもなく
氷の女王は存在しない

震えても
震えても
熱は上がらない
冷えきった思考
動かない足
凍りついてもいないのに

昇る朝陽 沈む夕陽
漠然としていても進む日々
過ぎる時間
思いやりのない得体の知れた生物は嘆く
昨日も今日も恐らく明日も

「変われない」

業火を舐めるのは先の話だとしても
ここは地獄と相違ないな




2016/05/20 (Fri)

[563] 一本でも人間
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ある人は云った
カタナ一本あればいい

ある人は云った
マイク一本あればいい

ある人は云った
チンコ一本あればいい


ヒップホップ
AV男優
なんだって
自信と自身と一本あれば
兵になれる夢のよう

けれども
あとに残すには

社会的弱者が握ったペン一本
俺を知らない
ある人の
記憶に残すには

自信は要らない
自身も要らない
一人ひとりが握る一本のソレ

お前だけの一本を聳り立たせろ



2016/05/08 (Sun)

[562] 君とスタンプラリー
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君が笑っている時
私はどんな顔すればいいのか
わからず無表情

記号化された現代社会に
当て嵌められる
『いまのきもち』が
全然なくって

こないだ買った
可愛いスタンプも
未だ送れずにいる

文字を打つのも面倒だ
記号化された云々かんぬん
だとか
うるせーよバカ

あれこれ小難しく
考えなくていい
君とスタンプの応酬
したいだけなのに

私は既に読んでいる
でも返せない
この気持ち
表すスタンプ
どこにも販売していない

(・_・)

君が好き
伝わりますか
これで私の・・・

(・_・)

怒ってる?

(・_・)

怒ってないよ

(・_・)

眠いの?

(・_・)

ちょっと眠いけど

(・_・)

なんでその顔?

(・_・)

なんでって・・・

(・_・)

ほら
やっぱり
伝わらないなう

私の今の気持ち
鈍感な君にはさあ、

(・_・)

わかんないけど
可愛いね☆

(・_・)

・・・

(//_//)

スタンプ打つの
疲れたから
おやすみ!



www

2016/05/04 (Wed)

[561] 二人のリレー
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学校帰り
自転車に乗って
病院へ行くのが日課だった
同じ高校への合格が決まった直後
体調を崩して
入院したきみに会うために

賢治も詩を書くことも好きなんだ
だから一緒に書こうよ
なんて
いきなり誘われても困る

教科書でしか読んだことないし
書けないって言ってるのに
「時間よとまれ! やっぱとまるな!」
国語のノートにそれだけ書いて
続きを書いてと手渡されても

屈託なく笑うきみは
病人には見えなかったし
それは
ぼくのノートだし
仕方なく続きを考えた

一行書いてきみに渡し
一行書いてぼくに戻っての繰り返し

春には定番
桜の下で出会う
新しき日々の詩を書いた
教室にきみはいなかったけど
病室でぼくらは
沢山の出会いと別れを書いた

夏には海
それから花火に
バーベキューの詩も
病室のテレビで観た
高校球児たちの熱い闘いを
描いたこともあったっけ

二人で交互に一行ずつ
鉄道のレールのように書き連ねる
病室から
銀河の果てまでも
どこまでだって
行ける気がした

秋には紅葉
落ち葉を燃やして作る
焼き芋の詩も書いた
窓から見える
あの木の葉っぱが
全て散ったら
わたしの命も・・・
笑えない冗談だったけど
つられて
笑ってしまったな

お芋を食べてぷっぷぷ〜
そんなふざけた一行を書き
雨にも風にも負けない笑顔
そのあと
体調が急激に悪化して
本当に命を落とすなんて
思えなかったから

冬には詩を書かなくなった
結局
どこにも行けなかったんだ

あの日の病室
ふたりでいた時間は
記憶の中でだけ停まったまま
先には進まないでいる
「時間よとまれ! やっぱとまるな!」
初めて完成させた二人の詩
どんな続きを書いたのか
思い出せないのはどうして

あれから十年
銀河の果てから折り返し
再び巡り逢えはしないか
時々立ち止まっては考える
「時間よもどれ! もしくはすすめ!」
込み上げる想い
病室での日々を思い出して
もう一度
ノートを開いて書き出した

いま一度
前に進むため
伝記にもならない
短い生涯を終えた詩人に向けて


今度は
ぼくが手渡す番だ





10y

2016/04/21 (Thu)

[560] たばこ屋の角をサビ抜きで(余り)
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ここ十と余年の記憶
何かの拍子に
消し飛んでしまっても
今の私は変わらない
きっと
支障を来さない程度の
些細な事象でしかない
現実から離れたくなった時
逃げ込む場所が変わるだけ

非常口の先を行けば
辿り着く部屋
空白広がる空間に
思いの丈を打鍵する
喜怒哀楽が爆発したり
ひたすら空虚を羅列したり
あなたとどなたの言の葉の
隙間の彼方に列挙する
枚挙に暇がないわたしの
産み落としたそれら
果てのない創作の場に
顔も知らない人たちが集った

ハハハッ
もう十年以上も経つのか
乾いた笑いしか出ない
いや無表情に
文字を打ち込んでいるだけだ
何が起こって
何が起こらなかったのか
未だに
どんな顔をしていいのか
わからない
これ以上は記さずに墓場まで

結局
アイツは何重人格だったのかとか
哲学者は次いつ現れるんだとか
解決しない問題もそっちのけ
どれだけ感傷的になろうが
現実には干渉してこない不可思議
あなたともどなたとも
決して浅い関係ではなかった筈なのに
けれども深くは交わらずに
深夜
暗い部屋でひとりぼっち
残りの寿命を貪るように作り上げてきた

ここ十と余年の記憶
何かの拍子に
消し飛んでしまっても
今の私は変わらない
あなたとのどなたとの
思い出も一匙程度のもの
たばこ屋の角を
すっと曲がるように
今わたしが聴いている曲の
サビを過ぎれば忘れてしまう
その程度

普通で終わり
何も特別なことなど
始まらなかった日常
気が狂う前に
今も足を運ぶ場所
ふと思い返せば

何かが変わるほどではない
けれど
消し飛ぶまでは片隅に残る
そんな十と余年の記憶




10y

2016/04/08 (Fri)

[558] 愛を語れば
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しくじりピノッキオ
あなたは反面教師

鼻が伸びないのを
いいことに
平気な顔して嘘をつく
要は
バレなきゃいいのだ
真実はこの胸に
事実は確かに
そこに在るけれど
隠し通せば問題ないか

騙した罪悪感は
時々
苦しみを与えてくる
ただ
それが同時に
罪滅ぼしを
した気にさせる不思議
いいじゃない
苦しんでるのは
ひとりじゃないの

心地よさげな
あなたの寝顔
大丈夫
まだバレていない
嘘に嘘を重ね
偽りを分厚く
塗りたくった
わたしの笑顔
お互い様よね

へし折った鼻にキスをして
事実無根の愛を騙れば
すべて巧くいく

その筈だった

2016/03/26 (Sat)

[557] ソウルフル迷子
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ソシャゲに注ぎ込んだ
何か月分もの給料よりも
人生のいくらかの時間を
溶かした罪は大きいか
神も居場所もない部屋で
息絶えるように懺悔する
必死になる方向を間違え
見失った自分
探しに行くための費用
いくらかかっても本末転倒
反省も後悔も済んだなら
蛻の殻にもう一度
魂を注ぎ込めよお前

2016/03/15 (Tue)

[556] 名前募集ポエム
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出会った瞬間
撃ち抜かれていた
右胸からドキドキと
溢れ出すこの気持ち
きみを見るたび症状は
どんどんどんどん
酷くなっていき
まともに
息も出来ないくらいに
苦しいんだけど
今すぐきみに
ぼくの気持ちを
打ち明けられたなら
どんなに楽だろうと
またきみのことを
想ってしまえば
ドキドキドキドキと
溢れ出すこの気持ち
嗚呼
この気持ちばかりは
どんな詩人でも
明確に
ぴしゃりと
一言では表せないだろう

そんなこと言わずに
ちょっと長すぎる
この気持ちの正体を
簡潔に表現できる方
募集します

あなたの意見を
お聞かせください!






2016/02/10 (Wed)

[555] 
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

胎児のように
あなたの懐に潜り込んで
あなたの力になりたい
これまでのこと
これからのこと
何でもいいから聞かせてよ
孤独にすすり泣くいまが
笑顔に変わるまで
あなたの一番そばにいるから
明るい子守り歌だけじゃない
誰にも言えない悲しみも
言葉にできない感情も
まとまらないまま溢しても
いいよ

思い出を懐かしむように
知らない未来を想うように
心をさすりながら笑う
あなたを一番近くで見ていたい

ほら 足で蹴ったよ

2016/02/06 (Sat)
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