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高級スプーン似の部屋


[389] ささやかな悲鳴
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

降り積もる
枯れ葉は土に
雪溶け
芽吹く
春のあお


あんなに愛した女の顔も
思い出せなくなった頃
内臓の隙間から
聞こえてくる囁きだけが
忘れた人を
静かに告げているけれど

面影は
埋め立てられて
姿形を変えていく
貴女の知らない
春が見える

語らう人もいない
内側からの
仄かな叫びも
聞き取れないが
まだ
感じることができるのなら

ひっそりと
生き続けているんだろう


青い春
真下に眠る
蜘蛛の子
いるか
人のくろ

2012/02/29 (Wed)

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