いつだったんだろう
お母さんが読んで聞かせてくれたお伽話
あれはもう随分昔のことだな
物心ついた時にはもう
毎晩のように優しい声で聞かせてくれた物語
私も飽きずに
最後まで聞くのを待たずに心地好くて
眠ってしまっていたな
まるでその絵本の中の少女が
私と重なって
夢中になって
幼心ながらに
うんうん頷いていた
あの本どこに行ったかな?
絵本の中の私に
また会いたくなった
埃まみれの本棚の奥に
眠っていた少女は
変わっていなかった
大人になった私は
目が潤んだんだ
2005/12/11 (Sun)