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朱雀の部屋


[19] 胡蝶の夢より
詩人:朱雀 [投票][得票][編集]


栩栩然(ひらひら)舞いて 胡蝶なり

夢か現(うつつ)か定めがつかず

泡沫(うたかた)の淵に腰おろし

傾げた首に掛けた手は

確かに指は付いてはいるが

人形(ひとがた)をした

蝋細工に見えやしないか?


遽遽然(きょきょぜん)とした有様は

我がことながら滑稽で

肩を震わせ捧腹すれど

脳裡の隅で途方に暮れる―――


分(けじ)めが有ろうが無かろうが

この世はすべて邯鄲(かんたん)の夢

現(うつつ)もいつかは霞んで消える

耳打ちするのは邪(よこしま)な蝶


それなら共に

栩栩然(ひらひら)舞いて戯れて

物化(ぶっか)を享楽するも 

また一興

2008/10/17 (Fri)

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