詩人:朱雀 | [投票][得票][編集] |
栩栩然(ひらひら)舞いて 胡蝶なり
夢か現(うつつ)か定めがつかず
泡沫(うたかた)の淵に腰おろし
傾げた首に掛けた手は
確かに指は付いてはいるが
人形(ひとがた)をした
蝋細工に見えやしないか?
遽遽然(きょきょぜん)とした有様は
我がことながら滑稽で
肩を震わせ捧腹すれど
脳裡の隅で途方に暮れる―――
分(けじ)めが有ろうが無かろうが
この世はすべて邯鄲(かんたん)の夢
現(うつつ)もいつかは霞んで消える
耳打ちするのは邪(よこしま)な蝶
それなら共に
栩栩然(ひらひら)舞いて戯れて
物化(ぶっか)を享楽するも
また一興