ホーム > 詩人の部屋 > 朱雀の部屋 > 風輪際

朱雀の部屋


[30] 風輪際
詩人:朱雀 [投票][編集]

畦に腰掛け見和(みな)ぎし先の

揺振(ゆたぶ)る木立は 神のやすんば 

紅い雀が舞風の中

命の際まで飛び翔ける


漏れる光を光焔(こうえん)に

いつの間にやら 見まく欲し


唯 在ることに心苛(こころいられ)て

爪形(つまがた)残る掌中(たなうら)を

慈忍を装い やあわり ひと撫ぜ


眺めの空に浮生(ふせい)を被せ

泣きたいほどの夕附日(ゆふづくひ)

2008/12/01 (Mon)

前頁] [朱雀の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -