畦に腰掛け見和(みな)ぎし先の揺振(ゆたぶ)る木立は 神のやすんば 紅い雀が舞風の中命の際まで飛び翔ける漏れる光を光焔(こうえん)にいつの間にやら 見まく欲し唯 在ることに心苛(こころいられ)て爪形(つまがた)残る掌中(たなうら)を慈忍を装い やあわり ひと撫ぜ眺めの空に浮生(ふせい)を被せ泣きたいほどの夕附日(ゆふづくひ)
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