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哀華の部屋


[142] 破壊 思想
詩人:哀華 [投票][編集]

もつれたつま先
確かに転んだ体
無理に起きあがるのを
辞めただけ

うつ伏せのまま
倒れていたい
歩く事はしばらく
出来ないだろう

こうして
刺さった硝子を
わざと食い込ませ
脳の中へと届けて

漂う赤黒い水滴

私は何処に
行ったっけ?

昨日
おいてきぼりの記憶

腐った林檎
飛び散った砂糖
割れてしまったお皿
その上で
うつ伏せの私

床へ流れている物
それは
涙などではない

血小板
ヘモグロビン
鉄の味

日に焼けない白い腕
模様をなぞり

この世界が
壊れそうなくらい
一度だけ
大きな声で

泣き叫んだ午後の事

2005/03/15 (Tue)

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