詩人:ヒギシ | [投票][編集] |
最近眠れない
何故かって
貴方のこと考えてるから
とかじゃなく
頭の中の議員達が
延々と議論を続けるから
決着が着いたかと思うと
そういえば
とかホザいて
別件へ移る
議長の自分は何とか
強行採決という形で閉廷するものの
議員達は乱闘騒ぎ
警官隊が出動
議長は一時布団の外へ
うっかり珈琲を口にした
第2グラウンド
開廷
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夏休み
する事が一つも無かった僕は
蝉の轟音の中で消え入りそうになっていた
一刻一刻
今日も過ぎ去る
駄目だ
このままじゃ
時計が回転を速めるばかりだ
立ち上がらないといけないのに
僕という人生の下に横たわる
今という大時計
動かないそれの上を
僕が歩いて進めていく
僕が動かなきゃ
時計が自ら回りだしてしまう
こんなことしてちゃ
駄目なんだ
動き出した長針に乗って
酔いながらも降りられなかった
足掻いて足掻いて
なんとか降りようとした瞬間
ふらりと立ち上がった僕の足下から
針が消え去った
ちくしょう
長い夏休み
耳に棲み込んだ時計の音は
蝉の轟音を掻き消した
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生物は
環境に対する適応能力で
永い歳月をかけて
独自の進化を遂げているけど
人間は
どうして感情なんてもの
発達させたんだろうね
自ら命を絶ったり
必要のない遺伝子も保護したり
同じ種族を減らしたり
子孫を増やそうとしなかったり
とても種にプラスになるとは思えない
考えたんだけど
大昔からこの星を救おうと
進化を始めたんだったら
感動的だね
まぁ
僕らが進化してなかったら
救う必要もなかったから
笑い話だけどね。
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真っ昼間から寝転がって
窓を開けて侵入する冷気を感じた
寒いワケじゃなく
ひんやりと
染み渡る快感
下から子供の騒ぎ声
上には変わらぬ白い空
亀の水槽から
何やらカチャカチャ聞こえるよ
一番近くで聞こえるのは
頭の下に敷いた腕からの
血の巡る音
こんなに怠けてても
人間てのは
必死に生きてるみたいだねぇ
ドクドクと
なんだか気持ち悪いな
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薄すぎるコーヒーに
ミルクを入れすぎた
無気力すぎる自分に
やる気を詰めすぎた
甘すぎるジャムを
パンに塗りすぎた
優しすぎる君を
少し頼りすぎた
高すぎるフェンスを
飛び越すのに失敗した
辛すぎる毎日を
乗り越えるのを諦めた
楽しすぎる毎日は
僕を空っぽにした
不味いコーヒーと
甘いパンで
中身を満たして
空笑いする
ゼロの僕を
何色に染めよう
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あっちの道は
酷くつまらなかった
大所帯で
観光ツアーみたいに
ぞろぞろと
名所巡り
僕はあの道を
虚ろな目でしか歩けなかった
昔から見かけた
あのイバラの華に
心を奪われていたから
時が経つにつれ
僕の足跡は行列からはみ出ていた
ずっと触れたかった華に
ゆらゆらと
誘われていた
視界に映ったのは
大きくなった薔薇と
小さくなった行列
腕に
足に
頬に
胸に
イバラのトゲが触れ
目が醒めた
道が無い
助けも無い
後悔は
無い
トゲを掻き分け
薔薇の香りに
身を捧げ
開いた眼で
ツルの間から
空を見上げ
僕は進む
道無き道を
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おい カラス
教えてくれないか
最近僕は
頑張りすぎかい
ソリャネェヨ
マダマダダ
そうか
おい カラス
教えてくれないか
最近の僕はどうだい
笑ってるかい
ソウダナ
ソコソコダ
そうか
あぁ ハト
教えてくれないか
最近僕は
どうなんだ
ガンバッテルヨ
ムリシナイデ
そうか?
やぁ カラス?
こっち来てくれ
イヤダネ
ハタラケ
わかったわかった
頑張るよ
ウレシソウダナ
いや別に?
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冷たい鉄格子の向こう
躓いて立ち上がれない貴方
手を貸すことは出来そうにありませぬが
どうか私のこの羽を
ちぎって持って行って下さい
ここから出られない私の代わりに
私の羽であの空へ
飛んで下さい
冷たい鉄格子の向こう
自ら作った檻から出られない貴女
手の代わりに羽を差し出す
どうかそんなこと言わないで
貴女も一緒に来て下さい
僕独りでは飛べません
上を向く力も無いのです
空とはどんな
ものですか
冷たい鉄格子の隙間
冷えた手を取り合う
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落下途中の
白い花びら
掴んでみても
どうしようもなく
また手を放して
落下させる
剣を突きつけ
怖い顔で
脅してみても
微動だにせず
ニヤリと
微笑みやがるから
剣はしまって
首を絞めた
お前の顔が
どう歪むかと
首を絞めた
歪まない顔に
曇り無い顔に
力が抜けて
剣も落とした
お前は
掴んだ花びらを
手のひらに乗せ
吹きつけた
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一体どんな風にすれば
言葉が出てくるんだっけ
どんなに頑張ってみても
涙しか出てこないよ
一体どうすれば
言葉が出てくるんだった?
でてくるのは悔しさともどかしさ
ほんの少しの「help」の旗
近づかれると
全速力で逃げ出して
最初の位置に戻すんだよ
ラプンツェルの長い髪なんか
切ってしまえ
顔を会わせるのなんか
溜まった涙に写る自分と
餌を求めるだけのアイツで
もう十分だ
歌を聴いたって
曲が終われば残るのは静寂
散らかった部屋に
眠る場所もない
工事の音は
頭にドリルが刺さったように
耳をつんざく
自分の声さえ聞こえやしない
何件も続く広告メールに
誰からだろうと思う自分が
たまらなく馬鹿げていて
遠くの空へ放りました
一体どうすれば
美味しい紅茶を
飲めるんだった?