少し開いた窓から子供のはしゃぎ声が聞こえる気だるく目を瞑り卵でも落としてやろうかとまた目を開けて黙り込む揺らぐ洗濯物の影に意識を浮かべて遊んでは手繰り寄せて息を吐く級友達を遠ざけて大人と笑える訳でもなく独り苦笑して遠くを見やりここはどこなのかと口には出さずに甘ったるい金平糖を噛み砕いたかのような甘い日々を辿っているのだ
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