詩人:獏 | [投票][編集] |
金平糖が一つ
金平糖が二つ
ころろん ころろん
甘くて 尖った
結晶が
胸の奥まで転がり込む
痛くて甘くて
足の先までチリチリする
痺れて目が霞む
金平糖が三つ
金平糖が・・・
かららん ころろん
澄んだ音たて
落ちてくる
痛くて甘くて
心の中で溶けて
指の先まで
頭の隅まで
甘い甘い甘くてとろける
もうたくさんだよ
君の胸から
飛んでくる
嫉妬という名の
金平糖
甘くて痛くて
しかたないから
僕は嘘を重ねてく
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毒
を食べました
手も頭も
溶けてきました
甘かったです
後味がほろ苦くて
舌が痺れてきました
襤褸屑のようになるのに
時間はかかりませんでした
毒
は身体に染み込んで
馴染んできました
溶けるのも
痺れるのも
当たり前になりました
怖くなくなって
ハイになって
踊って笑える
僕になりました
毒
になりたかった
僕
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共鳴し出す
二つの弦
響き合う音が
重なり合って
一つの音になる
和音になったり
また同じ音になったり
柔らかに 高まり合い
時折響くアクセント
旋律は高揚し
膨らんで弾かれる
重なり合う音は
早く強く
完全な調和を求めて
互いにつま弾き続ける
フィナーレ
フィナーレ・・・
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幻影の揺らめく視界
眩暈と無重力な予感
辺りに立ちこめる
乳白色の霧
迷い込んだ魂魄が
憎悪や悔恨を纏っている
ぼんやり灰色に浮かぶ
それらを避けながら霧の中を歩いている
不確かな予感は留まることなく
浮かんでは消え浮かんでは消え
確たるものになり得ない何か
それを追っているのかいないのか
疲労が全て感覚を麻痺させている
仄暗い魂魄の一つになって
果てのない乳色の闇に囚われている
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言葉なんてアテにならない
役に立たない
いつかなんて約束するなら
今ここで抱いてくれよ
一度で納得してやる
しばらく離ればなれだってさ
抱きしめるその手に
メッセージ
行くな
戻ってこい
抱き返す手に
メッセージ
さよなら
これで終わりさ本当は
肌で感じる本当の言葉
いつかなんて
やっぱり嘘だと
一度で分かる
慰めめいた嘘 口から飛び出したって
抱きしめたお前自身が
語っている
「さよなら」
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掌を目の前にかざして見てごらん
指の間から世界が二重に見えるだろう?
掴めない景色
こんなにもあやふやな感覚で
僕らは歩いているんだ
手と足がバラバラに動いて
それそれ何かに触れている
意識は四方に飛び
情報はまとまらない
全てが必要?
全ていらない?
僕らは選んでいく
溢れるシグナルの中から
その時に一番はっきり見える物を
そして発信する
君に向けて
一つだけ選んだモノを
はじかれる可能性も分かっている
選ばれない空虚感
絶え間なく
行き交う
シグナル
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悔やんでいるのは
君が嫌いだからじゃない
好きだから
もっと好きになってしまったから
一度でいいと
思っていた
一度だけと
でも
君は言ったね
次は・・・と
嬉しくて
そして
悲しくて
目をそらしてしまった
嫌いだからじゃないんだ
もっと好きになってしまったから
恐かった
叶わない約束かもしれないと
叶えば
何かがまた始まる約束だと
君と話すのが
恐いんだ
何かが壊れていく気がする
僕が今まで作ってきた
僕自身が
壊れていきそうで
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願望する。
届け と
彼の人に
彼らに
私の
息吹が
風に乗り
雲と流れ
満ちる事を
願う
喘ぐ声が
聞こえない
虫の音の
響く夜に
逞しく
膨らむ夢と
共に眠る夜を
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自虐の涙が
降る
降る
悪いのは私?僕?
気が付けば所々で
涙を流し蹲る人
かなえられない
願いに落胆
何が一番悪いかなんて
決めつけてる場合じゃない
世界は滅びに向かってる
確実に
じわじわと生きる場所を狭められ
生き物全て巻き込んで
人類
何してんだ
人間
何してんだ
人間同士で
傷つけあってる場合じゃない
星ごと潰れないと
わかんないのかい?
森林が
海が
小さな動物も
大きな動物も
悲鳴をあげてる
何処へ行けば
生き延びていける?
人間同士で
兵器なんか使って
殺し合ってる場合じゃないだろう
何してんだ?
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真っ暗な無に飲み込まれても
消えない物
心
思った事は流れていっても
感じた感情は
消えない
言い表せない程の
様々な感情
どこから生まれるのか
瞬きする瞬く間に
浮かんで浮かんで浮かんで
留まることなく
湧き上がる
この身体が消えたって
この世の中が消えたって
どこからか生まれてくる
何から生まれるのか
絶え間なく
嬉しい哀しい悔しい
愛する怒る泣く
降り注ぐのは
宇宙線じゃなく
名前さえ持たない
感情の波
真っ暗な無の世界から
湧き上がり
降り注ぎ
時を作った