詩人:番犬 | [投票][編集] |
クラスん中じゃ目立たない存在
強い立場の奴らに怯えて
隅っこの方でお話に花咲かす
ネットの中じゃ大層ご立派な名前の詩人さん
僕は詩を書いてるよ
私は詩を書いてるよ
これっぽっちの事さえ現実じゃ言えない
友達に馬鹿にされるのを恐れては
好きな事に胸を張れない詩人さん
のくせに作品を叩けば文句が出る始末
ネットの中では詩人さん
現実の中では…?
言う必要が無いから言ってないだけ
あなたの価値観押し付けないで
こんなセリフが予想できます
だけどだけどだけどなんだけど
本当にそうかな
嘘っぽいんですけど
本当にそうかな
俺は疑ってますけど
ああ
詩の中では大した発言ばかりなのに
現実ときたら惨めなもんだ
詩人は口先芸人
無気力の趣味辺り
別にいいんじゃないかな
今のままでいいのなら
少しおかしいこの俺が
少しおかしいと思ってるだけさ
別に怒りも何もない
他の誰かの物語に手を付けようとも思わない
好き勝手に色んな物事を自己解釈して
好きなように死んでいけばいい
つまらん毎日の窓辺に花を飾るように
寄り添うように詩と向き合うのもいいだろうし
酩酊にも似た陶酔的情熱を注ぎ込むのもいいだろう
だけどこれだけは言える
子供の御披露目の時に親は胸を張るもんだぜ
詩人と名乗るのは罪か?
恥じる事か?
まあ別に人それぞれらしいけど
木刀もしくは鉄パイプ片手にヘッセを読み散らかすタイプのMY LIFE IN THE ASPHALT
この路上の物書きはポケットにペンとノートを偲ばせて歩く
作品にケチ付ける奴はその上をいく作品で黙らす
基本的に負けず嫌いで闘争心溢れる俺に詩はふさわしくない?
そんな小さな枠を誰が決めたか知らないが
悪いが俺は書き続けるぜ
所詮は弱虫小虫の戯れ言さ
あまり気にするな
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お前は笑っている
近づく最後の時間
お前は笑っている
とてもしあわせそうに
外は降り積もった雪の世界
子ども達が作ったゆきだるま
そいつも笑顔のはずなのに
とても悲しく見えるんだ
灰色の空の下
寒さの中でしか生きられない
俺たちもそうだった
寒さの中で生きていた
寄り添い合って寒さをごまかしてた
お前に温かな陽があたる頃
そいつはあとかたもなく
消えてなくなるんだぜ
残るのは小さな水たまり
お前に温かな陽があたる頃
俺も消えてしまうのだろう
お前は笑っている
近づく最後の時間
お前は笑っている
とてもしあわせそうに
最初から分かっていたよ
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暮れ始めた西の方
ビルの隙間から見える空が
あまりに狭すぎるから
僕は目を細めているよ
赤く染まった指先に
うなだれ歩く僕の影
白い吐息がせわしない街並ににじむ
どのぐらいの距離で
君に会いに行けるだろう
どのぐらいの距離で
僕は君を見つけるだろう
答えなんか分からなくて
歩き疲れて座ったベンチ
隣には一つの空いた席
缶コーヒーを握りしめてた
こんなちっぽけな温もりじゃ
ごまかすなんてできやしない
君がいない空っぽの心を
抱きしめることもできず
答えを見つけようとしている
僕を愚かだと笑ってくれないか
君の記憶の中で
僕はいつも笑顔だったろう
君の記憶の中で
僕はいつもしあわせだったろう
ポケットの中で
記憶だけが温かい
君の温もり
それだけが忘れられずに
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暮れなずむ街にカラスが落ちて
羽を散らかして死んでいた
くちばしにくわえた虫も死んでて
巣で親鳥を待ちわびたヒナ達も死ぬんだ
俺は何者だ
俺は何者だ
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お前が何のために生まれてきたか
決して誰も答えてはくれない
お前が何のために生まれてきたか
自分自身で見つけなくてはならない
人間は所詮孤独な生き物だから
八十余年の時の中で
泣いたり
笑ったり
悲しんだり
怒ったり
何度も何度も傷ついて
何度も何度も傷つけて
善を信じては悪を働き
悪を信じては善を働く
人間の奥深さを知りながら
お前は生きていかなくてはならない
一言だけの贈り物
完全な世界なんてどこにもないんだ
未完成だからこそ世界は美しい
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ふん
鼻でせせら笑ってやる
お前のきれいごと
なにも犠牲にせずに
弱者を救おうとする愚か者
ペンとインクと原稿用紙
たったそれだけで
救われる奴なんていないんだ
思い上がりも甚だしい
いい加減にしろ
空を飛べる犬がいるか
地を歩く鯨がいるか
火の中を飛ぶ鳥のような
空想話に興味はない
まずは自らの能力を知れ
詩人と名乗ったお前
言葉を扱うペテン師と詩人
なにが違うか答えられるか
現実の前にお前は無力
現実を前にお前は倒れこむ
折れたペンから滲み出るインク
生い立ちの地獄は言い訳にはならない
倒れるのを助ける人もいない
泥にまみれ溺れるお前
あまりに無残な堕ちた姿だ
しかし覚えておけ
どんなに打ちのめされようが
どんなに黙殺されようが
そこから更に書こうとする意思こそ
詩人が詩人である所以と思え
お前が本当に救いたいのは
お前自身だと知る日までな
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ほお?
裏切り?
知らんな
経験したことがない
うむ
それで君の話とは?
二股された上に別れられた?
何年も付き合っていたのにか
でも一言言わせてくれ
君がそういう人を彼女にしたんだろう?
そう
もともとは浮気をする質だったのだ
君が彼女を理解してなかっただけだ
そういう質の彼女が
どんな選択をするかまでは
君には強制できないんだよ
君を不幸にしたからってさ
彼女が彼女自身幸せになる選択をしたのに
裏切り者と罵るのは
ねえ君?
ちょっとばかり甘えん坊だな
裏切りだなんてねえ
そんなに簡単に言っちゃいけないよ
分かったかい?
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この世には絶対のタブーがある
だから俺には触れるな
噛み殺すかもしれない
だから俺には近寄るな
踏み潰すかもしれない
絶対に俺の名は聞くな
お前の名前も消されるだろうから
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なあ聞いてくれ
ある日の学校での話だ
身障と言ってバカにされた奴がいた
そいつはずっと黙っていた
俺は気に入らないんだ
いや
バカにされた奴に同情なんかしないさ
反撃もできない腰抜けが
そうなるのは仕方がないとさえ思ってる
ただ身障者達が抱え持つ苦しみを忘れ
身障という言葉に差別を見いだし
侮蔑の言葉として扱う奴に
俺は怒りを覚えるんだ
殺したくなる
殺したくなる
傍観者を黙殺者を加害者を
殺したくなる
殺したくなる
どうせこれを読んでる奴らの殆ども
傍観者黙殺者加害者のどれかだ
殺したくなる
殺したくなる
普段は良い顔で善良ぶってる奴らめ
殺したくなる
殺したくなる
人の為には怒れない奴らめ
殺したくなる
殺したくなる
どこにでも形を変え存在する事ぐらい
この俺にだって分かっちゃいるが
殺したくなるんだ!!!
見捨てた奴ら
事実は消えないぜ
戦わなかった事
諫めなかった事
周りが許したってな
俺だけは絶対に許しはしない
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大量生産型エコノミー向けの
トップチャートの歌詞の延長線上の
空っぽの言葉じゃ満たされない
そんな心があるんだ
決して数は多くない
むしろ圧倒的に少ないだろう
彼らの為に誰が詩を書いたか
それを思うと右手に力が湧いてくる
それと同時に寂しさもこみ上げてくる
俺の役目?
本当は違うはずなんだ