詩人:番犬 | [投票][編集] |
銀色の月と俺の間で
叫び声だけが轟いた
銀色の月と俺の間で
裏切りだけが光っていた
銀色の月と俺の間で
音の粒子と粒子とが擦れ合っていた
銀色の月と俺の間で
知らない人達が睨み合っていた
銀色の月と俺の間で
不思議に力が満ちて
終わりそうで終わらないジ反逆者のバラードだけがジャミングしていた
赤色の夕焼けと俺の間で
帰る家がある人と無い人の影が分かれていた
赤色の夕焼けと俺の間で
静かな大気の流れだけが存在していた
赤色の月と俺の間で
人の血だけが流れていた
赤色の月と夕焼けと俺の間で
憎しみと叫び声だけが存在していた
深い海の底と俺の間で
なにも持たない人間と満たされた人間が
許し合えずに殺し合っていた
深い海の底と俺の間で
苦悩と言葉と音が見事に調和していた
深い海の底と俺の間で
悪魔と天使が同じ皿で食事していた
深く沈んだ太陽と俺の間で
マシンガンだけがたくましく
深く沈んだ太陽と俺の間で
やせ細った子ども達が死んでいた
深く沈むしかなかった太陽と俺の間で
言葉にならない想いだけが
どうにかこうにか出口を
いや、入り口を
先は入り組んでいても抜け出る術を求めていた
深く沈んだ太陽と俺の間で
陰と陽のどちらもが死んでいた
深く沈むしかなかった太陽と俺の間で
これを読んでいる人や、読まなかった人や、無関心な人や感じ取った人達がいた
銀色の月と俺の間で
フロア中央で泣きながらステップを踏む人達がいた
銀色の月は変わらず
ただ黙って地球を回っていた
青色の朝焼けと俺の間で
小さな希望が生まれているのを感じていた
青色の朝焼けと俺の間で
たった一度きりのダブとフリーとクリスタルの結晶
砕け散って俺の中へ流れ込んでいた
青色の朝焼けと俺の間で
静かに情熱だけが燃えていた
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トラッシュを失った近代パンク
シド・ヴィシャスが残した残光に憧れ
消えていった無名のバンドスター
クラッシュだけは飲み込まれず
生きたまま伝説となったジョー・ストラマーも
今頃天国で地上に向かって
唾を吐き捨て悪態を突いているだろう
どうだ
銃口自殺に憧れて
消えていった無名のパンクキッズども
パンクというカルチャーの中での流行りや廃り
それに乗っかっただけの広告屋、メジャー・ディブロップメント、自称業界通
俺は冷めた目で見続けてきたよ
エピタフなんぞ興味はないな
それはもちろんパンクロッカーとしてだが
アナーキズムはどこへ消えたんだろう
オールドスクーラーの持つレコードや
地方のアナログ、マスターテープの中にだけ
それがあるとするならば寂しい事だ
音楽の暴力や狂気は若気の至りじゃない
未成熟故の疑問や怒りだ
街に溢れかえる浮浪者や低賃金
格差や堕胎率、娼婦の数や癒着の度合い
大人であるとされる人間の横暴に
疑問を問い詰めたはずのパンク・アナーキズム
L.Aメタルではダメだった
パブリック・カルチャーではもちろん無力で
日本のパンクは青臭いだけのガキの音楽
横道坊主やトータルフューリー
ストリート・ビーツなんかが最後の砦
これからパンクは消えていくだろう
1ジャンルの名だけを残してな
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ボクが生まれたのワ
ブリキ細工の山の上
いろいろな部品を寄せ集メ
ちぐはぐなバランスの
ボクが生マれタンダ
ダケど
ゴミ箱の中へ
捨テラれちャっタ
オ前は失敗作ダ
ソう教エらレタ
そんナ気がシタ
スクラップ工場デ
ぺちャんコにサレる前に
ヒゲのおジサんガ
ゴミ箱カらボクを見ツケテ
よゴレた雑貨品ト一緒ニなラベ
路上で小サナ店ヲヒらいたンだ
何人もノ人と時間が
そのマまトおりすぎた
ソシテ太陽が沈みかケタ頃
立ち止まっタキミ
ソウ
こノトキボクらは
ハジメテ出逢ッた
キミは瞳をかガヤカせて
ほントウに嬉しそウに
ボクのこトヲ見つメテイタね
忘レナイヨ
ボクヲハジメテ抱イテクレタ人ダカラ
キミとボク
カゾえきれナいぐライ
いッぱイの時間ヲ
タノしく過ごシた
キミノ成長を
ほんトウに立派ニなッていクノを
ボクはズっと見つヅケテキた
膝をスリむいたとキ
キミハ泣かナかっタ
オシャレをはじメタとき
キミはダレより素敵ダった
恋人ができタトき
キミはほんとウに幸せそウだっタ
仕事をハジメたとキ
キミが誇ラしかッた
子供ガ生まレタトき
キミハボクヲ紹介してくれタ
シワが増えハじめたトキ
キミはボクノ顔にシワを描イタ
しワクチゃの手ニナッたとき
キミはサヨナラを言っテキタ
コの世かラキミが消エタトキ
ボクはどウしてモ泣けなカった
ボクはタだの
ブリキノロボットダカラ
忘レラレヤシナイ
ハジメテ抱イテクレタキミダケワ
キミニ逢イタイ
キミニ逢イタイ
アトドレグライ
待テバイイ?
キミニ逢イタイ
キミニ逢イタイ
アトドレグライ
生キレバイイ?
何百年モ前カラ
ボクワココニイル
キミニ逢イタイ
キミニ逢イタイ
何千年デモ
何万年デモ
何億年ノ時ヲ超エ
ボクハココデキミヲ待トウ
ブリキ細工ノ山ノ上
イロイロナ記憶ヲ寄セ集メ
チクハグナバランスノ
ボクガ朽チ果テルマデ
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一個の人間が
一個の感情を
表し尽くすのに
音を作り
詩を綴り
声にするのも
物にするのも
根本は決して
何も変わらないが
ペーパー
テクニック
良質のインク
同志とのリンクなど
一切不要
孤独への腐蝕は
不治の梅毒だ
仲間がいなければ
言葉を発せない?
ならばペンを置け
そうでないなら
沈黙を破れ
銀が金に勝る
そういう世界だ
俺が俺に
こう語りかけてるうちは
発見当初のように
月の裏側の
海底の土の
マグマの中の
奥深くから
掘り当てたような
この原石は
人知れず
我の中
輝き続けるだろう
少なくとも
生きてるうちに
報われる事はない
奇抜なだけなら
それも在りうるが
それでも向かうなら
覚悟が必要だ
恐れるだけでは
何も生み出せない
それを知る限りな
一個の人間が
一個の感情を
表し尽くすのに
無限の音色と
無限の言語
書きためた原稿
書きためたレポート
回り続けたレコード
作りたての音
それでもまだまだ
表し尽くすには
足りなすぎるピースだ
ダンスやグラフィックや
映画やライフクリエーター
良くも悪くも
自分が何者かを知り
一度抱いた情熱を
信じ続けた奴だけが
人生そのものを
アートに昇華できるのだと
俺は強く
そう信じている
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とある街
いつもの日常に
そぐわぬ風景
空腹で苦しむバケモノがいた
とても太り
醜く
暴れ
歯で砕ける物は全て
たるんだ顎肉の内に収めた
食べても食べても
満たされず
飲んでも飲んでも
満たされず
彼はもがいていた
周りの人間からすれば
奇異怪々そのもの
迷惑な生物
それでしかない
しかし俺にはよく分かる
俺もバケモノ
醜いバケモノ
満たされないバケモノだから
彼の苦しみは
俺の苦しみ
暴れることも
傷付けることも
底なしの食欲も
全て同じだ
一杯のスープ
一枚のパン
たったそれだけ
誰だっていい
愛情と共に
この手にくれれば
この空腹は満たされるのに
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……
なんだろうな
……
…
この虚無感は
……
……
まるで落丁本みたいだ
……
…
大切な部分だけが
………
………
抜け落ちてしまって
………
……
伝えることができない
……
…
……
追憶の苦しみ
…
…
…
……
……
……………………
…
続きが読みたい
…
あの日
……
…
空白だけがそこにあった
バッドエンドでも構わない
もう一度触れられるなら
全て捨てても構わない
もう一度だけ
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光とか闇とかよく使われるが
あいにく興味ないね
そんな単純な言葉で表現できるほど
俺の世界観は甘いもんじゃないしな
楽なもんだ
たったそれだけで
自分の孤独が表現できたと
満足できるのなら、な
恋人を失ったとか
友達がいないとか
裏切られたとか…
そんな物がお前の孤独の理由なら
この世に共感者は大勢いるぜ
よかったな
仲間がそこら中で求め合ってる
お前はきっと幸せ者だ
決して俺とは相容れない
俺の孤独は俺の世界観
俺だけの持ち物
俺だけの友
共感者は皆無
だがそれでいい
俺は俺
感情の共有など必要ない
樹氷の原で一人
前だけを見据え立ち尽くす
空は晴れ
風は吹き荒れ
雪が走る
そこからの風景を書き記す
他人には決して見れない世界
それを他人様に見せようとする
不可能な神の御業に挑むがごとき足掻き
それが面白い
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何億人もの人がいて
何万人もの教師がいても
彼らから学んだ物は
空っぽな記憶の塊
僕のこれからには
不必要な物だから
ゴミ箱に捨てて
荷物を減らすのさ
このポケットにはそれよりも
大切な物を詰め込んでやる
足跡を刻んで
種をふりまいてたら
何万キロも続く青空の
雲の彼方にも行ける気がして