詩人:番犬 | [投票][得票][編集] |
寂しがりやのトレーラービッチ
今日の街角での稼ぎは
ここにいくらかでも置いていけよ
それと一緒に愚痴とかもな
今日も浮浪者と並んでは
人の憐れみを求めてたんだろ
だからといって慰めはしないぜ
お前は抱かれるのが商売だからな
嫌なことはあるだろうさ
金が無きゃ生きちゃいけない
綺麗な生き方をしようとしたら
家で待ってるガキが飢えちまう
助けなんて何一つない
神様はいつだって残酷なのさ
神様の複製である人間もな
お前をかわいそうには思うが
センチメンタルは嫌いだから
優しくなんてできやしない
今夜も俺は無言を通そう
お前が酒でつぶれてしまうまで
オールドスタイルのグラスに
琥珀色のアルコールを注ぐ脇役
虹の洪水を窓の外に見ながら
ああ
幸福ってやつがお前の歩く道に
転がってる事を祈るよ
大なり小なり人は汚れて生きていく
たとえどんな理由であろうとも
愛する物がある故の汚れが
必ずつきまとうものだ
彼女のようにたった一人で
貧しい家庭を背負い
国家からの施しも受けられず
その細い体を売ってまで
子供を育てなければならない者がいる
それを考える時
純粋な正義も純粋な悪も
この世には存在しない
彼女の行為は悪だろうか?
正義に基づいたものだろうか?
そんなことはどうでもいい
生きることに必死な人間を笑う奴らを殺してやりたい
ただそれだけだ