詩人:番犬 | [投票][編集] |
昔からそう
誰もが嫌い避けるような
狭くて暗い場所が好きだった
ジメジメした感触が落ち着いた
そこで飽きもせず秋の始まりを待ってた
昨日の俺が描いた絵を
今日の俺が塗りつぶす
終わるのか?
終わらないのか?
そう問い掛けながら
カウントダウンの秒数は
生まれた瞬間に自分で決めてた
輝いてもいない未来でも
そこは明るすぎるんだ
俺を呼ばないでくれ
昨日の俺が描いた絵を
今日の俺が塗りつぶす
終わらせたいなら
終わらせればいい
そう言い聞かせながら
にやりと笑う自分が
鏡の中で割れるのを見た
瞬間的に沸騰したのは憎しみ
喘ぎを伴って怒りの拳をぶつけた
人や壁や社会の弱者達に
昨日の俺が描いた絵を
今日の俺が塗りつぶす
消えてくれ
消えないでくれ
そう迷いながら
気まぐれでやってくるぞ
夕闇が持ってる切なさはな
全部が思ったよりも儚いぞ
人も夢も感情もな
全部が思ったよりも儚かった
昨日の俺が描いた絵を
今日の俺が塗りつぶす
まだ終わらない
まだ終わらせない
そう呻きながら
独特の絶望って奴は
誰にも理解させる事はできない
百年後にとうとうやってくるはずの
眩しい栄光やたくさんの理解者は
今を生きる俺の慰めにはならない
昨日の俺が描いた絵を
今日の俺が塗りつぶす
昨日とは違う
明日こそはと
暗い場所で睨みつけながら