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リコの部屋


[30] 意地悪な人とドアと絵
詩人:リコ [投票][編集]

ザラザラ
口の中

キンキン
耳の中

ガンガン
頭の中

ズンズン
子宮の中


愛はどれか
考えている




床から見上げてくる
歪んだ女の顔




破れたカガミは
嘘つきの反対



正直なのね
血走った眼
赤い鼻
白い肌

肉体の彩りは
ベーコン気取り



けど



いくら塩水を流しても
それは透明だから
まるで私を反映などしない



原色の狂い咲
滲む黒は水に溶けない

自己二行略説



だから
この塩辛い現象は
私の証明では無い



じゃあこの
一部は
新しい何かを生みそう?



ぐっとくる



小豆色した闇
ぐんぐん迫り




誰もいない
気持ちいい




筆を握るか
楽器を抱くか


材料揃えど



何にも出来ない
笑えるくらい
何にも出来ない




繋がる
肉体
拒まない



繋がる

悲鳴上げ




コンコン
心の中



鍵穴から
針出して
あっちいけ



あっちいけ



遠ざかる足跡
静かになったドア



鍵などかかっちゃいないんだけど
ボソッと呟いて



ドアに背を向け



創りかけの絵が
不細工に睨み
私を焦らせ



また両目は濡れていく



濡れては乾くを
繰り返す
この肉体は
強いのか
弱いのか




筆を持ち直し
考えている




2006/02/07 (Tue)

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