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リコの部屋


[31] 呟く「」
詩人:リコ [投票][編集]



人差し指の
爪噛んで
オレンジな部屋で
感情の塊を
見下ろしていた




布団にくるまる
女の人の
呟く一言
「オカアサン」
それとなく
聞いていたけど




髪の毛も
疲れた顔も
真っ白な布団も

窓から射す
夕焼け色に染まって
貴女の悲しいを
一層
彩っていた




私、

ウタっているの
狂っちゃいたいから
貴女も私も
弱過ぎるから

今、


舞っていたいの
生まれてから
背負わされた
二人の宿命

笑い飛ばしてしまいたいから






だぁれも
助けてくれないから






行く末は
取り残された
滑稽なまでの
慈悲なんだ






異国の綺麗なお顔
台無し
包丁なんて
おお怖い


自己犠牲は
もういい
よそう
ね?




他人を憎む事
知らないから
仕方無い
死にたくなるのも
仕方無い
仕方無いね




貴女の分身
小さな私

溢れ出す
震える愛と同じ分だけむき出しの痛々しさを貴女から
頂きました




ただ
私は本当に
小さかったから




怖い怖いお顔も
苦しい苦しいお顔も
それ故の
惨いくらいの
エゴな情も






笑顔と泣き顔の
?でしか
お返事する事
出来ませんでした




毎日毎日
貴女が呟いていた
「」
その意味も
私がこうして
同じ様に
同じ「」の中身を
呟く様になって




貴女の心の空白を



“オカアサン”の
絶対を




ようやく
少し
知ったような
気がしてます






2006/02/08 (Wed)

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