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アローの部屋


[11] セピア色の原景
詩人:アロー [投票][得票][編集]

澄み渡りし湖面に浮かぶは小舟の波紋

霞立つ宵明けには岸辺に佇む少女の影

静みて鎮まる寂しげな風景など描かず

決して描かずに彼は待ち続けると言う

決して描く事なく少女を見守ると言う

想い彷徨う事なく留まる心は空見上げ

けれど目を閉じ黙想する老人が言った

「色褪せた花飾りの本当の色を知っているのは私だけ。

鮮やかなその色の思い出を心の奥に見つけられるから。

寂しいけれど。

寂しいけれど…」



澄み渡りし湖面に浮かぶは小舟の波紋

霞立つ宵明けには岸辺に佇む老人の姿

今はただ思い出と生きる老人が…

2005/11/21 (Mon)

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