２年ほど前は
あまりに
現実離れしていた
この場も
リハビリが順調に
進んでいるのかもな
俺は去らなかった
歴史を知る者が
１人もいないでは
みっともないと
居残り組を決めていた
そんな義理はないが
俺だけは動くまい
読者を裏切るまいと
健やかなる時も
病める時も
詩と結婚したんだぜ
このまま詩が死に
変わる時まで
書き続けていくだろう
その覚悟がある者
手を挙げて！
誰もいる訳がない
読者すら卒業してゆく
この世界で
俺の名作を忘れるな
コピーしておけ
放射能ほどの詩人には
未来永劫出会えぬぞ！
疎らだった詩の世界
発展に努めた
俺は考えた
試行錯誤五里霧中
自分で言うのも
全く変ではないが
表彰くらいされたって
いいのではないか？
よこせ勲章！
金メダル！

狂気かくして
凶器かくさず
狂喜真っ只中
殺しを楽しむ時
嬉々として切り刻み
獅子として
喰い散らかす
あくまで
人から見た残虐性
人類が餌になった日
こんなに
口の達者な生き物は
他にはいない
有無も言わさず
狩りまくれ！
極悪非道
阿鼻叫喚の地獄絵図

悲鳴が
嬉鳴に変わってゆく
残酷史を
身を以て習えよ
生命が
灰より軽くなった日

感性のように
ブチギレる四肢
人間も所詮は肉だ
乱獲されても仕方ない
絶滅しても仕方ない
正当化する術に
長けている
何も言えず断末魔
死にやがれ！

「悪と魔と
　亡霊の御名により
　災厄を与えたまえ」

君は
過去へと過ぎてゆく
あとは
未来に向かってゆく
俺だけが
取り残されたよ
被害意識増大のまま

思い出桟橋
新恋愛市場
流れの中
君に引っ掛かってる
４月２９日に
生まれ変わったのに

今の君は遠いから
近かった
過去を思い出す
いっそ
宅急便で
取り寄せてしまいたい

いつも
君で止まってる
新しい恋に
向かった方がいいのは
百も承知なのに
諦める方法までは
誰も教えてはくれない

協調性がないと
強調された時
わかってんだよと
キレてみた
左アッパーを
くらわせてみた
静かになった
ザ・平和！

授業中の指名
今日の日にちと
出席番号なんて
芸がないと
キレてみた
飛び出してみた
誰も
追っ掛けてこなかった
ザ・ぽつん…

自転車で君の家に行く
確実に会える
訳じゃないけど
確率はゼロじゃない
君から始まる繋がりの
魔法を信じられる？

在宅なのはいいけど
なんでいんの？両親！

男友達なんて紹介
されたくはないけど
頬が
ヒクヒクしてる
君のパパに
ビクビクしてる僕
反則じゃないか
練習もしてないし

休日にはパパは
ゴルフに行くものと
相場は決まってる
そしてママは
川へ洗濯にでも
行っちゃえばいいのに

そしたら僕ら
ふたりっきりで
新婚夫婦

そんで
どうするかなんて
そんで
なにするかなんて
言わずもがな
バレたら殺される？

隣の部屋で
聞き耳を立てるパパ
ドアの外で
お盆もって
スタンバるママ

僕は
筆談で君に手を出すよ
筆談でキスするからね
まだ死にたくないし

モンシロチョウは
どこへ行った
人外の果てまで
飛んでいった
ヒラヒラ
フワフワ
もう二度と会えない
僕らが追い出した

小さな庭に
チョウがいてね
塀の向こうは
マンションや
ビルばかりで
行く所がない
とっても狭い世界で
生きたんだ

蝶よ花よと
飛んでいたのに
僕たちの風は冷たく
移ろいは
月影のチョウを殺す

背徳が好き
鞍馬山で絶叫し
ミミズに躓き転落死
耳ふさぐ手は砂
正気を保ってやる
正気を保ってやる
冥道あるく時
看板は落ちてくるし
今すれ違った男は
殺人犯だ！
今度は俺を狙ってる
さっきの女は農家の娘
正気を保て！
正気を保て！
まだ大丈夫だろう？

相手が誰でも
言い包める事が
可能な訳ではない
配下に加わらぬ者達は
夜郎自大
我こそは死の王
なんという凡才か！
誰も教えては
くれなかったのか？
あまりにも幼稚

古傷が悪化
承知されたし
脳の病状
手食魔苦魔夜来ん
ぐるぐる回ってんぜ
きっと
排除しようとする
催眠術なのだろう
ずっと逆立ちしてた
ずっと回り道してた
逆流をどう思う？
自分が順流かどうか
わからないし
答えは一辺倒でないし
随分と無難な
嫌いな者を
嫌いと言える健康体
恨めしや
視界に入るだけで
話に聞くだけで火に油

そちは
何もしておらぬから
と言って堂々と
歩いていやるのか？
恨めしや
心は植物人間
頭は精神病棟へ

それは失敗作でも
気に入らなくても
それを
遺してこその
責任だと思うのだ
そうゆう
読者の裏切り方を
してはいけない
するべきではない
消去も
リセットも

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報道が伝えてくる
まるで
学級委員の顔で
不謹慎な発言は糾弾
中継地では
特派員が流れ弾で死亡
自分自身が
事件になっちゃった
あぁ　あぁ
彼女は観てるかなもし
ほんの１０秒の
クライマックスを
あぁ　あぁ
彼女は泣くのかなもし
天気予報より短い
俺のクライマックスで

キャスターは
キズついたような顔で
御家族の家に
カメラを切り替えた
問答無用に
今の心境をたずね
観ていた人は青ざめる
なんて無神経な…
あぁ　あぁ
何げない出発かなもし
残酷な死出の旅路
あぁ　あぁ
彼女立ち直るかなもし