詩人:矢井 結緒 | [投票][編集] |
前向きに
進んだら
げっそりやせた
後ろ向きで
歩いたら
やっぱりこけた
どっち向きでも
転ぶから
横向いて歩いた
過去なんて
グーチョキパー
チョン切って
ブクブク
歯磨きしながら
歩いてくてく
サカナでも
エビでもない
おいらはおいら
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昔風のリボンふたつ
頭に咲かせて
リンリン消魂しい声で
わたしを起こそうと
毎朝、虎視眈々
唐草模様の帯を
身体に巻いて
チクタクくちずさんで
わたしを急き立てて
毎日、天津爛漫
けれども最近
お年のせいで
あちこち錆付き
草臥れ果てて疲れ気味
時折、居眠りしてる肩を
ポンと叩くと
ハッとしたように動き出す
あなたが一秒ごとに刻む
わたしの一瞬一瞬
大事にするから
明日の朝も起こしてね
その前にたぶん
その五月蝿い口を塞ぐけど
背中のゼンマイ
ギリギリ巻いて
まだまだ現役
中国は天津生まれの
アンティークばあちゃん
詩人:矢井 結緒 | [投票][編集] |
生まれたままの姿で
装うのはやめて
自由を奪うものは
すべて脱ぎ捨てて
虚ろに飾った言葉も
今は要らないから
解るより感じてれば
伝わってくる想い
Naked
ありのままじゃ
ないけど
ねぇ、きっと
裸のままで
Naked
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少し離れて
ふたりを見てた
あの子を見つめる
あなたの暖かい眼差し
凍えるような闇の中
ひとり震えてる
あなたに惹かれて
ぐるぐる廻る
哀しい踊り子みたいに
いつまでも
きっと続かない
あの子を照らす
あなたの優しい光
凍てつくような闇の果て
ひとり泣いてる
誰かに抱かれて
狂おしく喘ぐ
寂しい娼婦みたいに
あなたに照らされて
あの子は素敵に輝く
わたしは少し離れて
二酸化炭素の溜息をつく
癒えない想いは
胸の奥深くに秘めて
あなたに惑う赤い星
数十億年の片想い
わたしは
あの子には
なれなかった
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U NO?
She'll run away
知らんわい
He's lucky now,
tears no more
開き直っても
U NO?
She told a lie
知っとるわい
Give me
a Jack knife
君じゃない方
ルーズなルーザー
引き下がるわきゃないと
He kicks a girl
What can I do?
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自分の手を
汚すの嫌だから
罠を仕掛けた
あなたが
捕まってから
1ヶ月半
虫も殺さぬ顔で
屠殺場で解体された
牛たちをレアで食べる
無邪気な残虐さを
ソース代わりに
卑怯者と自分に呟いて
いつもの現実逃避で
ウェルダン
よく出来ました
キッチンの角
一匹じゃ広すぎる
厚紙の家の中
ミイラになってる筈の
あなたにまだ近付けない
あなたから見れば
わたしの方が
遅れて地球に来た
害虫なのに
お互い好きになれずに
1ミリも縮まらない距離
詩人:矢井 結緒 | [投票][編集] |
輝いてた日々を
憶えているから
待ち続けていられる
今は欠けてくばかり
それでも
また月は満ちて微笑む
夜空を見上げても
暗雲が立ち込めて
闇はこれから
まだ深くなるばかり
それでも
また星は瞬いて光輝く
そこに
碧い兎がいない事
大人になった今は
もう知っているけど
淋しさで死にそうな
あなたの歌声が
確かに聞こえてるから
ギアをニュートラルに
サイドブレーキ引いて
この夜が明けて
あなたが帰って来るのを
ずっと待っている
アイドリングしながら
詩人:矢井 結緒 | [投票][編集] |
凸凹
出すぎたトコ
足りないトコ
補い合って
ふたつでひとつ
完璧に噛み合って
揺るがない
ぼくときみ
直角の
四つの角を
あちこちに
ぶつけながら
転がって
丸くなる
何処にでも行ける
あなたとわたし
フラフラ
宛てもなく
さまよいながら
ぶつかり合って
集まった
重い荷物担いで
コロコロ運ぶ
俺たちみんな
わっしょい!
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夕暮れグレた愚連隊
夕焼夜景に泣いた訳
憂鬱に俯く胸を打つ
優劣ばかり推し測り
愛想笑いの安い愛情
愛憎二筋の悪い相性
赤裸々に歌うラララ
赤らめた顔で諦めた
無償の愛は雲散霧消
無性に辛いこん畜生
言い訳して良い訳?
言霊宿して騙した魂