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山鳩の部屋  〜 投稿順表示 〜


[1] 離別の情景
詩人:山鳩 [投票][編集]

君は何も告げなかった

無言のままただ息を潜める

最後の言葉さえ聞きたかったのに

さよならは永遠の別れの意味

君はそれをあえて口にしかった

それは私への最大のやさしさ


君が言いたかったこと

私に伝えたかったこと

深い沈黙の中に

君の真意を見たような気がする

2006/07/08 (Sat)

[2] 幻想の果てに
詩人:山鳩 [投票][編集]

やっと逢えたねと

君にこの言葉を告げる日を

もう何年待ち続けているのだろうか

君は今何を思う 何も伝えず

私の心はあの時のまま

凍結し解けることなく

ただ行き着く所なく

亡霊のように過去を彷徨う

2006/07/09 (Sun)

[3] 追想
詩人:山鳩 [投票][編集]

また暑い季節が巡り来る

君との思い出つまったこの夏

楽しい思い出 笑顔の時

悲しみの思い出 涙の時

その折々の感情が

波のようにこみ上げて来る

あれからもう五年の月日

君は何を思い

どんな暮らしをしているのだろうか

ひとときの間でも

想いめぐらしてくれているのだろうか

それを知る術もなく

今は坦々と

こころ満たされぬ日々を過ごすだけ

2006/07/09 (Sun)

[4] 『花みずき』
詩人:山鳩 [投票][編集]

君が好きだった

この『花みずき』という歌

君と会う時いつも聴いていた

君はどこか自慢げに

私にこの歌を教えてくれた


この街並みにも

花みずきの花が

ようやく咲き始める

白い花弁が十文字に

春の木漏れ日に揺れて

清楚に咲きはじめる



季節はめぐり

君が去ったこの街で

今ひとりこの歌を聴く

2006/07/10 (Mon)

[5] 君さがしの終着駅
詩人:山鳩 [投票][編集]

君が言いたかったこと

気付いて欲しいと願うこと

その意味をようやく

理解したような気がする

ふたりが倖せになる為に

別れてゆく それでいいじゃないか

そんな簡単な勇気が出せなくて

ただ現実に背を向けてきた



君と遠くはなれた今

君の私への真の姿を見つけた



私はようやく

終着駅に着こうとしている

揺られ続けたこの列車を

終に降りる時がきた

2006/07/11 (Tue)

[6] 雨上がりに想う
詩人:山鳩 [投票][編集]

空を見上げやがて雨も上がる
雲間から差し込む薄紫色の陽の光は
暗く沈んだこころに
ぬくもりを感じさせ和ませる

別れた人を想い涙する
この世に生まれ
偶然あるいは必然か
君と同じ時代に生きたこと

命ある限りふたり
見つめあい夢を抱いた
信じあい傷つけあい
零れ落ちた愛は何処へ

時は流れても
あのすばらしい思い出は
きっといつかよみがえるだろう

そんなささやかな望みをこの胸に
こころの片隅に記憶を刻み込み
また新しい何かを始める

雨もあがり哀しみも通り過ぎる
こころも晴れて
安らぎと自信を与えてくれる

2006/07/12 (Wed)

[7] 一日のおわりに **
詩人:山鳩 [投票][編集]

時とともに消える思い出なら

遠く帰らぬ若き日々のように

ただ過ぎ去ってしまえば

それで気がすむ

果たせなかったあの約束も

時がたてば

色褪せ消してくれるなら

生きる道も確かめられる


君の微笑がよみがえる

君のほかに誰かを愛せれば・・・


もう悲しみに慣れてしまい

やすらかな眠りさえも

今日もまた

一日のおわりに感じる

2006/07/13 (Thu)

[8] この歌を耳にするとき
詩人:山鳩 [投票][編集]

君が好きだったこの丘で



声を張り上げ歌う



君が教えてくれた 愛することの意味



何もできなかった自分を変える為にも



だから私は歌い続ける



いつかどこかで君がこの歌を耳にするまで



なんども なんども・・・

2006/07/14 (Fri)

[9] 心眼
詩人:山鳩 [投票][編集]

色鮮やかな赤いバラ
じっと見つめているとその深紅の花弁に吸い込まれそう
でも
この赤いバラは本当に赤い色をしているのだろうか
花びらに反射した光の波長が赤と勝手に決め付けているだけで
もっている本来の色は全く違う色をしているのではないか
このバラを
心の眼で見たらいったいどんな色をしているのだろう

2006/07/15 (Sat)

[10] 夏に巡り会い夏に別れてゆく
詩人:山鳩 [投票][編集]

夏に巡り会い夏に別れてゆく
いつも傍にいてくれた君

君の匂い そのほほえみ
いつしかうすれて忘れゆく

やさしく語る君の声
そよぐ風にのせて

私のこころに沁みてゆく
夏は通り過ぎやがて秋

季節は巡り知らぬ間に
白い冬を迎えやがて花の香り

君と過ごした幾つかの季節
そして君が去ったこの夏

君が残してくれてもの
君が教えてくれたもの

この手にあるのは
すべて君からのもの

嘘のない君の愛に
ひとときの倖せさえ与えられず

私は返す言葉もなく
ただ心のなかでつぶやくだけ

2006/07/16 (Sun)
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