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山鳩の部屋  〜 投稿順表示 〜


[62] 冬のダイヤモンド
詩人:山鳩 [投票][編集]

君は冬のダイヤモンドを知ってるかい


あの夜空にかがやく一等星たち


時空を超えて


星星を越えて


僕らの肩に降り注ぐ


銀河の雫


生まれて今日まで


何度空を見上げたのだろう


寄り添うポルックスとカストルに


思いを寄せるふたご座の君よ


春の訪れに


ようやくかなしみはあの地平線の彼方に

2007/10/27 (Sat)

[63] 恋の不思議
詩人:山鳩 [投票][編集]

恋は詩を書くことに似ている

筆者と読者の

こころとこころを繋げてゆくこと



恋という字は

くり返す心 心 心 心 


恋するこころを忘れちゃいけない

失恋しても

恋を失くしたわけじゃないからと

いつか誰かが言ってたね


恋せよ乙女

城の窓から流す涙は

ボスフォラスの海に溶けてゆく


人は一人ぼっちがいやだから

誰かを慕い想いに更ける

誰かに教わったわけでもない

恋という

孤独な精神作用ひっさげて

2007/10/28 (Sun)

[64] 恋は木の葉のように
詩人:山鳩 [投票][編集]

恋はゆらゆらと揺れる

木の葉のように

恋は青空の映る

水面のように

恋は真夏の炎天下

アスファルトに揺れる

逃げ水のように

幸福と後悔の一瞬のオルガズム


僕から君への

君から僕への

いつまでもこころにある

愛するものへの羨望と執着心


僕らは不安定で刹那的な夢を見る

その夢の中で踊りつかれ

夢に酔いしれて

互いの存在を見つめあう


We fell in love on the first night that we met,

Together we’ve been happy, I have very few regrets.

The ordinary problems have not been hard to face,

but lately little changes have been slowly taking place.

You’re always finding something wrong in what I do,

but you can’t rearrange my life because it pleases you〜♪

2007/10/29 (Mon)

[65] 哀しみの部屋
詩人:山鳩 [投票][編集]

哀しみで散らかしたこの部屋の

後片付けが

どうにもうまくできない


寂しいと書いた紙くずも

あのゴミ箱にうまく入らない

愛を描いたきり絵をも

うまくハサミで切り取れない

紙キレばかりがこぼれて

床に舞い落ちたら

三毛猫のホームズが見上げていた


「哀しみという名の家具は

どこに置いたらいいのでしょうか?」

「哀しみと書いてないものは

哀しみじゃないのですか?」



さあ哀しみについての詩を書き始めよう


哀しみに濡れた少女が

深い眠りにつくころ

月明かりが南の窓から差し込むころ

机の上のえんぴつの先が

一筋の地平線を描き

赤い火星が沈んでゆく

2007/10/30 (Tue)

[66] 夢詩集
詩人:山鳩 [投票][編集]

〜猫物語〜

今日は何も浮かんでこない

売れ残ったキズのあるりんごのように

じっとその場を動かない

昼下がりの眠気覚ましに

詩なんか書いてみるのもいいかもしれない

昨夜見た夢

猫物語

おばあさんの三毛猫

屋根に上って遠くを見つめてる

自分の生まれた遠いところ

ときどき居眠りをし

子供頃を思い出している

おばあさんの三毛猫

今はもうこの世にいない

禿山の天辺に眠っている



おばあさんの三毛猫は実在の猫で、
名はチャラといいます。
三年前に永眠、享年20
裏山のてっぺんに眠っています。
今もときどき夢の中でのどを
グルグル鳴らしています。

2007/10/31 (Wed)

[67] りんご四行詩・恋のマザーグース
詩人:山鳩 [投票][編集]

一口かじりかけのりんご



皿の上の乗せて恋のおまじない



眼をつむってスティック振ったら



サンジェルマンの通りは茜色


*****************************

りんごの赤は、夕闇迫る
パリのサンジェルマンの赤。
一口かじって切ない失恋の味を知る。

2007/11/01 (Thu)

[68] こころがかり
詩人:山鳩 [投票][編集]

君のいちばん嫌いな

ため息をひとつ

ふっとこぼした時

少し時が戻ったような気がした


三度目のサクラ舞い散る季節

アロマの明かりに

君の横顔が照らされて

卒業写真に映った微笑よりも

どこか大人びて見えた


沈黙する時間が長くなったのは

すっかり君のことを理解できてるから

些細な仕草から

次のコトバを予想できるから

口にはしない一抹の不安に

僕は気付き始める


やっと見慣れたスーツ姿で

君は濡れた舗道をかけて行く

朝もやの中で

人ごみに消えてゆく君の後ろ姿


僕の進もうとしている道と

君が見つめてるものとが

きっと交差する

そんな物憂げな目をして

この手で触れる日に憧れる

2007/11/02 (Fri)

[69] 美しい想い出に
詩人:山鳩 [投票][編集]

沈みゆく夕陽に照らされて

うっすらと微笑んだ

君の横顔

汐風にそよぐ髪は

茜色にきらめいている

大いなる海を駆けてくる

風は冷たくて

どこかしら

こころに奏でて通り過ぎてゆく

ずっと憧れていたこのひととき

人恋しさを募らせるこの秋に

君は僕の傍にいる

親水性防波堤の手すりに

君はからだを預けて

振り向きざまに呟いた

ずっと離れていた時間を埋める

そのコトバに

僕のこころの中のあの日が

またよみがえった

こんな素晴らしい愛に

最後まで最後まで

こたえていきたい

2007/11/03 (Sat)

[70] 夢詩集〜ぼくの一番遠いところ〜
詩人:山鳩 [投票][編集]

この世界で一番遠いところ


それは君のこころの中さ


地球を一周してもまだ遠い


突然こころを閉ざして


去って行ってしまったよ


まるでしり切れトンボさ


茜色の空を舞う


あの哀しい夕陽じゃ


ぼくの涙なんかは乾かない


たどり着きたいよ


ぼくの一番遠いところ

2007/11/04 (Sun)

[71] 夢詩集〜砂浜の想い出〜
詩人:山鳩 [投票][編集]

透明なビンを陽に透かしてみたら

あの日の想い出がよみがえるんだよね

君が僕にくれたたったひとつの贈り物


ビンのふたを開けると海の匂いがするんだ

ターコイズブルーのガラスの欠片や

白い砂粒にそれに穴の開いた貝殻とかね


砂浜で時間を忘れてしまうくらい

二人でしゃがんで集めたよね

そうなんだ想い出の詰め合わせなんだよ


想い出が立ちのぼってゆく

けむりのように

すうとあの高い秋空にむかってね


それをうみねこが啄ばみ

かもめが浚っていったよ

実に哀しみの目をしてね


やがて目が覚めて

僕の手には何も残らない白昼夢

2007/11/05 (Mon)
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