雨上がりの夏の朝車もまばらな誰もいない駐車場いつも車を止める区画の真ん中にさみしく置かれていた白いハンカチ呟いているように雨に濡れて見覚えのある赤の刺繍のイニシャルY.Y一瞬時が止まった気がした目の前に現れるあなたのまぼろしあの日の夜明け前のかなしいあなたのこころがここにある潤んだあなたの瞳は動かなかったそんなあなたが確かにここにいた濡れたあなたの白いハンカチそっと拾い上げて切なく見上げる天使のきざはし