詩人:ヨシコ | [投票][編集] |
いま、気付きました。
私はいつの間にか、こんな沖にまできてしまっていました。
自分で泳いできたのか、それとも流されてきたのか、それはわからないけれど
いま、見えるのは
音の無い広い空と
音の無い深い海。
この空と海は
残酷なまでに青く、鮮やかに煌めいて
その境界線上にいる私を
挟んでるみたいです。
そして
いま、聞こえるのは
透明な風の音と
透明な波の音。
この風と波は
恐ろしいまでに単調に、
繰り返しリズムを刻んで
その中にいる私を
溶かしてるみたいです。
おかしいな
周りには沢山の人が、笑っていたはずなのに
いつからこんなことに、なったのか
必死になって遊んでいたら
私はすっかり、ひとりになっていました。
今やっと
このことに気付きました。
しかし、今となっては
私はただ
無音の色と
無色の音に
吸い込まれていくだけなのです。