ホーム > 詩人の部屋 > 望月 ゆきの部屋 > 飛沫

望月 ゆきの部屋


[230] 飛沫
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

気がつくと
きみは魚になってしまっていたので
ずっと
きみを知っていたのに
はじめて見たような気さえした


望遠鏡をのぞくと
いつも
波がよせては砕け
飛び散る

セロハン越しにそれは
琥珀となり
バラバラと
ふる


もう ぼくは
イソバナで
ほんのときどき



きみの胸びれが
かすめゆくばかり。

2004/06/16 (Wed)

前頁] [望月 ゆきの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -