ホーム > 詩人の部屋 > 矢井 結緒の部屋 > 新着順表示

矢井 結緒の部屋  〜 新着順表示 〜


[118] 希み望むなら
詩人:矢井 結緒 [投票][編集]


イエスも

ジャンヌ・ダルクも

何かの使命を

帯びて産まれて来た

あの人もきっと

哀しみを乗り越える

歌うことが

世界を救うなら

諦めないでいて欲しい

なんにも出来ない非力が

たくさん集まれば

きっと世界は美しくなれる

2009/10/04 (Sun)

[116] あーした天気にしておくれ
詩人:矢井 結緒 [投票][編集]


意味なくカユい感覚
そんなもんに
実体とかなくて
それとおんなじで
哀しみも喜びも
風が吹くように
通り過ぎる
台風だって
1日我慢すれば
明日は嘘みたいに晴れる

2009/10/04 (Sun)

[115] 名月の向こうには
詩人:矢井 結緒 [投票][編集]


深藍色の天幕に
まあるい丸い穴ひとつ

乳白色の光射し
やさし優しい雲一筋

エンドロール流れても
席を立てない客ひとり

円柱形の穴覗き
宇宙の果てを垣間見る

2009/10/04 (Sun)

[111] ストリータ
詩人:矢井 結緒 [投票][編集]


今日も出てゆく
夕暮れの街
ジェイソンマスクに
バンダナ巻いて

小柄なギタレレ
キュートな相棒
シャンパン片手に
サンダル履いて

ギターケースに
じゃら銭受けて
ルンペンさながら
パン代稼ぎ

イヤな48に
いかつい893
ペンギン歩きで
また明日

2009/09/26 (Sat)

[110] ガラパゴス
詩人:矢井 結緒 [投票][編集]


化石燃料みたいに
いつか枯渇する
感性のような
先の見えてる燃料
だけを頼りに
どこまで行けるだろう

おばさんになっても
文学少女さながらに
図書館で左上見てたら
気持ち悪い気がする

アンテナは真っ直ぐで
受信出来るのは
お行儀の良い公共電波だけ

僻地に棲息する
生き物みたいに
わたしは独自の進化に
取り残される

2009/09/26 (Sat)

[109] 柑橘系の結末
詩人:矢井 結緒 [投票][編集]


深すぎて
なんにも見えない
海の底より
浅瀬でチャプチャプ
のが好き
水圧で息が詰まるし
得体の知れない
魑魅魍魎は
今までの価値観が
ガンガラガンと
崩れてしまうから
いらない
知らなくていいことは
最期まで知りたくない
林檎だと思って
食べて来たのに
消化が済んだ頃に
蜜柑だった
なんて言われても
酸っぱ過ぎて困る

2009/09/26 (Sat)

[107] 火族
詩人:矢井 結緒 [投票][編集]


50億年生きてきた
彼でさえ永遠じゃない

みんなを引き連れ
ここまで来たけれど
一瞬たりとも
休む訳にはいかない

燃えて
照らして
導いて
折り返し地点を
丁度回ったところ

醒めたふりして
冷えきって
燃えたふりして
意気がって

水金地火木土
テメェもかい?

それでも
繋いだ手は離さない
最期まで輝いてゆくよ
みんな銀河の家族だから

2009/09/25 (Fri)

[106] 切な刹那
詩人:矢井 結緒 [投票][編集]


あなたが幸せであるように
わたしは多くを望まない

全部の数が分かってるから
たったこれだけでも
ありがとうと喜べる


あなたが笑っているならばわたしは泣いても構わない

降っても直ぐに晴れるから
今は無理して辛くても
おめでとうと言祝げる


あなたが辿り着けるよう
わたしは後からついて行く

先でも後でも同じなら
前行く背中糧にして
お先にどうぞと見送れる

2009/09/25 (Fri)

[105] どじょっこまぞっこ
詩人:矢井 結緒 [投票][編集]


雨は既に
止んでいるのに
引き続き
病んでいる

祭りに加わらずに
終わったあとの
寂しさだけ抱き締めて

テレビも新聞もいらない
情報はわたしを
尻込みさせるだけで
悪戯に世界を大きく見せる

他人の真似して
チェンジとか言うから
天の邪鬼が気紛れに
初めて応援したタカは
半端に優しいハトに
空を追われた

そんなマゾッホの
自分が好きだから
予定調和の負け戦
破滅へ音速で
真っ直ぐまっしぐら
そんな損な性分
勝負になんない

2009/09/24 (Thu)

[104] 河原乞食の唄
詩人:矢井 結緒 [投票][編集]


流れ流され
行き着く先は
みんな同じ
三途の河原
長くは続かぬ
哀しみは
水面に浮かんで
弾けて消える

揺れて揺られて
落ち着く先は
無明に暮れる
黄泉の国
永遠に続かぬ
喜びも
煙に紛れて
空へと還る

泣いて泣かれて
彷徨う旅は
ふるさと遠く
偲ばるる
届かぬ想い
風に乗り
伝えておくれ
父母に

2009/09/22 (Tue)
78件中 (1-10) [ 1 2 3 4 5 6 7 8
- 詩人の部屋 -