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[103014] オルゴール弾き
詩人:千波 一也 [投票][編集]


胸のうちにある

たしかな

金属は


この世でたったひとつの

かなしみです

 

生身であることを

証すための痛み、なら


どんな音色にも

そのゆびを


いとしさを



奏でるひとが

いてもいい


けれどもそれは通過点
 

やがては弾いて

傷になる


いつか

どこかで

なにかをかばう



途切れ途切れ、が

なめらかさ


嘘だとか

ほんとうだとか

そういうことではなく


ささやかな

すべての箱への

お返しに


夢のそとから


古い

軌道で


2007/06/06

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