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[119122] 捨てられた靴
詩人:千波 一也 [投票][編集]


  使い古した姿については

  ぼろぼろだね、と

  同意をしよう


  けれど

  わたしたちが

  聞き取れる言葉は

  そこまでだ



  知らされていないほんとうを

  伝えるすべもなく

  ひた走るような

  沈黙を


  ときどき見かける

  埃まみれに



  飼い猫まがいの手足なら

  なにをきれいに

  傷つける


  捨てられた

  そう遠くはない行き先を

  つとめてしずかに

  履きながら

  ふるえる


  風の

  おもいに

2008/01/15

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