ホーム > 詩人の部屋 > 過去ログ > No.156000-156999 > No.156843「触れられた無形」

過去ログ  〜 過去ログ No.156843 の表示 〜


[156843] 触れられた無形
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

その悲しみに名前は無く


その傷に名前はない


題名が無くても
それは美しい、歌


声にならない祈りのような


生まれゆく者たちと


彼らの闘う理由


激痛の中でみた
夜明けは


青白いくっきりとした
建物の輪郭


動き出す生き物の影


息を飲むほど幻想的な光景だった


その感覚に名前をつけられないのは


心が生きている証


その身体で育むのは
時間でも過去でもなく


永遠の中に留まる
一瞬のあたたかい血潮


強固な記憶


美しい 美しい 美しい

愛を知らなかった者たちが


其れを、
知るということ





2010/06/08

前頁] [投票する] [次頁

- 詩人の部屋 -