詩人:千波 一也 | [投票][編集] |
空を
まっすぐに
見上げられたなら
もう、
なにものにも
傷つかないで
羽ばたける
きっと
たやすいことどもは
溢れているはずなのに
たやすくない日々が
溢れていってしまう
それは、
受けとめ方が
受けいれ方が
あまりに粗雑な
せいだろう
あまりに稚拙な
せいだろう
太陽は
信じるものでも
うたがうものでもなく
そこに、
ただ在るもの
ただただ圧倒的に
そこに在るもの
月も同じ
海も同じ
野も同じ
空を
まっすぐに
見上げられたなら
もう、
なにもかも
わすれてしまえる
窓辺も
舗道も
軒下も
すべて、
やさしく抱きしめられる