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[184026] 遺骨
詩人:千波 一也 [投票][編集]

ひどく熱い台の上で
亡きひとの骨を
拾う

幼い
わたしを
抱き上げてくれただろう
腕をひとつ

もう二度と
わたしを呼ぶことのない
喉をひとつ


かつての命は
小さな箸で小さな箱へ
しまわれる

骨の形をのこせぬ灰は
ちりとり・ほうきで
集められる


遺影には
亡きひとの笑みが
ただあって

緩やかに
ぞんざいになる箸使いを
許容しているように
見えなくも
ない


ひどく熱い台の傍ら
亡きひとの視線を
そっと思う

不快な汗を
指の間に滑らせながら


2014/02/14

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