本に とりつかれた人がいました本の中で晩年を迎えたらしい夢に とりつかれた人がいました夢を見ながら生きたいと睡眠薬に溺れました食べることにとりつかれた人がいました食べ続けて食べ続けて最後は 胃を壊して苦しみながら 果てました人は誰も心の中に病の巣を 抱いて自分は人より正常と思い込み生きている人の異常を指差して自分がどれほど正常かと 語る愚か者正常なものなどないただ皆 それぞれの異常と正常を誰より弁えたつもりで生きている。
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