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[189227] 紫陽花
詩人:千波 一也 [投票][編集]



濡れそぼつ紫陽花を
傘の中から覗いたわたし

やがて
雨が上がれば
水滴さえも花にして
紫陽花は凛と
咲くのだろう

濡れることを厭うわたしは
濡れる役目を傘に負わせて
柄を握る手に力を込める

わたしは
何を守るのだろう
わたしは何を守れるのだろう

例えば
もうじき注ぐであろう陽射しの中で

望みのはずの陽射しの中で


2015/09/21

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