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[28009] Sへ
詩人:けむり [投票][編集]

もうさびしいときにも電話しないよ。
もし街で見かけても目を合わさないし、
もう歯ブラシも捨てることにした。

クセっぽい二人だし、
手をつないで歩いても違うものを見ていた。
好きな音楽が違ったし、
テレビタレントも違った。

だけど短い間、
ぼくたちだから見れるものを見たし、
ぼくたちだから育めるものを大切にしたね。
きみはタバコをぼくと同じ銘柄に変えたし、
ぼくはおそろいのパジャマをプレゼントした。

ぼくたちは急ぎすぎたのかな。
思い返せばたくさんのものをこぼしながら走ってきた気がするよ。
だけどそのスピードがいつもぼくを熱くした。
バカだなって思うよ。
ザマない。
かけ離れたところでまた会えたら、いいね。
だけどさ、
寝つけない夜には電話してきなよ。
いつだって無駄話につき合うよ。

2005/02/22

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