詩人:松尾 優月 | [投票][編集] |
見えた先のアクアマリン鉱石と孵る前髪で包んだ赤色トパァズに、わたくしは力負けしますので言葉で掬うてあげる事をいたします。と、よしよしなだめすかしたような感がありましたが、昼下がりの蝉に少し黙りなさいと意外にも強気な声を独り鳴きで、止ませたのです。
包んだ髪を解くように、ゆくりゆくり、急いではなりません。素直な風に稲葉揺れる言葉をわたくしは持ち合わせていましたから。
落ちる太陽光の頃合いだ
漸く、見えた眼の瑪瑙は睨みつけていまして、臆病者でもあるあたくしは月の井戸に身を潜めてしまいます。さぐり合いなのでしょうか。鉱石の持つ由縁ではないようです。
あたくしは半分あたりもう翡翠に戻りかけています。枯渇へと体内の水分量はあなた様を掬うてさえ生きてはいられません。しかしながら、あなたを好いてしまった事で自壊のひび割れを招いてしまってさえも掬うてあげたいのです。
解けた感覚のあとの事です
あたくしは海辺に居りました
ああ、これは地球を一晩借りきりで逢いに向かわなければなりません。潮で顔を洗い心は赤色の水系トパァズが住んだまま金魚草の葉先へ今はぶらさがっております。