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[9004] 負け犬の手
えんりょがちに
恋をしていた
あなたの
差し伸べた手は
私が迷うくらいに
距離がありました
精一杯の
光だったかも
絞り出した
言葉だったかも
たくさん
人を乗せたバスが
二人の前を
通っていたので
なんとなく
気を取られて
あなたを
つかまえ損ねたのです
今
私が伸ばした手は
払うこともされず
握られることもなく
あなたの裾を
掴みそこねた
戻っておいで
あたしの
あたしの
負け犬の手
あの人は
もう
去ったのだよ…
2005/03/18
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