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[91053] 赤の炎
詩人:フィリップ [投票][編集]

あの男は死んだ

当然だと、私は思った

家族の住む幸せな家を
笑いながら燃やした

だから当然の報いである


あの女も地獄に堕ちる

寂しげな心を捕まえては
遊び回して
その心を繋ぐ道具として
騙したり 造ったり


あの男はどうなのだろう

わからないけれど
ロープに首を吊られて

いつだって
罪無きものは一人だけ


彼はいずれ地獄に行く

小さな小さな子供を拐い
金を奪った上に
バラバラにして殺した

だから絶対に
誰かに殺される


私はどうなのだろう

奪われたものがあり
代償として命を貰っても
私の大事なものは
帰って来ない

もう其処に心はない


だから許すのではない
許すわけではないけれど

復讐は正義ではないから

今はまだ何も出来ない


復讐とは
正義の為にあらず

ただの偽り

2006/12/10

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