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[96011] 義眼
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


偽りの瞳で
見つめた世界は
美しさの欠片もない汚れきった世界
片目を閉じて
義眼で覗く暗闇の世界
初めは恐れていたけれど
時を重ねるうちに恐れはだんだんとなくなってきた

町は偽りと憎しみに溢れ
昔のような優しさや温もりは時代遅れと化してしまった
もはや時代遅れの僕が町に居残る理由はない

僕は町をでるよ
こんな町でてやるよ
もうこの町に用はない
義眼にも用はない
僕はこの退屈な世界からある場所へ旅立つよ
僕がいるべき場所へ旅立つよ

くりぬいた義眼を闇に投げ
僕は閉じていた真実の眼で
最後に世界を眺めよう
冥土の土産に眺めとこう。

2007/02/11

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