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カナリアの部屋  〜 投稿順表示 〜


[114] ぴるぴる
詩人:カナリア [投票][編集]

“ぴるぴる”と言う名の鳥を見つけた
ぴるぴるは暗い夜に
声を殺して鳴く鳥だった

誰にも見つからないように誰にも知られないように

ぴるぴるは声を殺して“泣いていた”

死にたいんじゃない
生きたいんじゃない

消えてしまいたい

ぴるぴるの唄う歌は
そんな孤独を歌っているかのような…

傷だらけの身体震わせた
ぴるぴるは
きっと
生きる意味を探してる
己の価値を探してる…

貴女の声
聞こえたよ

2006/06/25 (Sun)

[115] LastSummer
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早く夏にならないかな
…と
僕が口づさんだその日

夏まで持たないだろう
…と
死の宣告を受けた者がいた

焼けるような
暑い…暑い夏を
迎えるまでの残り数ヵ月

彼が必死に生きる姿を
目の当たりにした僕は…

この夏
どう生きればいいのだろう

昨日死んだ者が
必死で生きたいと願った今日を…

僕はどう生きればいいのだろう

人の命には限りがある
明日の保障なんて何処にもない

だからこそ
今を生きろ
今を生きろ

明日伝えようと思っていた言葉に…
明日は待っていないのかもしれないのだから

2006/06/25 (Sun)

[116] 一個だけの月
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貴方と私…
まるで別の世界にいるみたい

だけど
この空は果てしなく広がっているし
あの海は彼方から波を連れてくるんだよね

だとしたら…
イツカキット
貴方に会えるかな

きっと今宵見つめる月は
貴方と一緒
貴方と同じ月を見てるはずだから…

2006/06/29 (Thu)

[117] 泥まみれの織り姫へ
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織り姫のように
美しくはないかもしれない織り姫のように
おしとやかでもないかもしれない

泥にまみれながら
大根作っていたあの人は
決して織り姫にはなれないけれど…

逢わせてあげたいのです

あの人が星になってから
元気のない我が家の彦星に逢わせてあげたいのです

美しくなくても
おしとやかじゃなくても

我が家の彦星は
愛する織り姫に逢いたいんです

どうか…
もう一度父に…
母を抱きしめさせてやって下さい

私の願いは…届きますか?

2006/07/06 (Thu)

[118] Recital
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何を願うの?
何を願うの?
美しく咲いた花は何故か
悲しい歌ばかり唄っていた気付いたのは月夜の晩で
僕は君に捧げる言葉を捨てたんだ
夜が明けるまで
君の隣で踊っていてあげる赤い靴は留まる事を知らない
まるで僕は操り人形
滑稽な姿と君の掠れた歌声が月に照らされ
孤独を縁取るシュルエットは
リサイタルの観客の如く
罵声を浴びせる
それでも朝は当然にやってきて
美し過ぎた花は枯れ
赤い靴は足を食い尽くしたかのように
ただ転がっていた

月は見ていた

最後に二人が笑う姿を

月は問う
何を願うの?
何を願うの?

2006/07/11 (Tue)

[119] パリスのRoom
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富を手に入れたかった
お金は私を自由にしてくれる
美を手に入れたかった
華麗な女性は何一つ不自由しない
愛を手に入れたかった
孤独な夜に抱きしめて?

総てを手にする者は言う

他に何を望むのか…?

総てを捨てれる
強さを下さい

2006/07/12 (Wed)

[120] 『 』
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ある明るい月夜の晩
汚れたスカートを隠しながら啜り泣く少女がいた
月は問う
何故泣くのかと…
少女は握り締められた僅かな銅貨を掲げてみせた
『裕福になりたいのです』月は問う
裕福とは何かと…
少女は細い足をジタバタ鳴らしてみせた
『自由と言う事です』
月は問う
自由とは何かと…
少女は首を傾げた
『知らない…けれどお金さえあれば自由になれる』
月は少女に星の金貨を山ほど与えた

ある明るい月夜の晩
華やかなドレスに身を包んだ少女はまだ泣いていた
月は問う
何故泣くのかと…
少女ははっきりと答えた
 『  』

2006/07/12 (Wed)

[121] DEADGOD〜死ニ神〜
詩人:カナリア [投票][編集]


に裏切られて

は切り裂かれた

それでも信じる意味は
あったのだと

揺るがない自分自身は
胸を張った

この身滅びてゆく時間を
惜しむかの様に
この身消えゆく瞬間を
知っているかの様に

私は前に進み続けた

一歩でも前へ
少しでも近くに

踏み鳴らした足音は
どうやら
神様の機嫌を損ねたらしいね…

どうしようかな
エンドロール

“生きる喜び”なんかで締め括ってみる?

2006/07/23 (Sun)

[122] Aquello<M/F>
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その瞬間


重ねた


すり替えられた
紅イロは


を昇天させる
には
充分


シャラシャラ
降る雨


いつか蒸発
して
しまうでしょ?

それでも

その瞬間


潤えば

偽りの
台詞<コトバ>
にさえ
アイを求めて


なんて
馬鹿
げてる

ユニゾンは

貴方の方から

わり
を打つの?

それこそ
馬鹿げ
てる

馬鹿げて


シャラシャラ
シャラ
シャラ
交わらない
モノ


絡み付く様<サマ>に

もし
独りよがりに

貴方


わらせたりしたら

馬鹿下手


馬鹿下手

るわ

2006/07/23 (Sun)

[123] 白濁
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それはそれは
慎しやかに営まれた
“殊”<コト> でございました

長年連れ添った貴方様の
永眠するお姿はなおも美しく

私めは黒い着物の袖口から指を滑らせ
ただただ
貴方様に愛撫するかの如く
乾いた頬に触れるのでした

冷え切った貴方様のそのお体に
この身重ねれば
私めもお傍に逝けるのでしょうか

貴方様の眠る棺<ハコ>に
重く硬い蓋が閉められた時
切なる想いは届かず
その道は閉ざされ
私めは独り
独りきりになってしまいました

煙に姿を変え
天に昇りゆく貴方様
天は白濁した湯の様な
悲しみの色をしております

貴方様の声が
まだ耳の奥に残っておりまして
最後に触れた貴方様の感触が
まだこの指に残っておりまして
貴方様と歩んできました長い長い道のりは
私めの心を揺さぶり
体の震えが止まりません

先立たれた貴方様
私めは貴方様を憎いと思うのでございます
先立たれた貴方様
私めは貴方様を卑怯と思うのでございます
そして何よりも
私めは貴方様を愛しいと
愛しいと
愛しいと
愛しいと
…思うのでございます

私めの生涯で
だた一人
旦那様であった
貴方様の“葬儀”<コト>は それはそれは
慎しやかに営まれた
貴方様の“最後幕引き”でございました

2006/07/25 (Tue)
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