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カナリアの部屋  〜 投稿順表示 〜


[164] わがまま
詩人:カナリア [投票][編集]

君のその
わがままも
子供みたいな
すねた横顔も
僕は全部大好きだから

君がどんなに
わがまま言って
僕を困らせようとも
僕がどんなに
謝っても
こっちを向いてくれなくても
僕は君が大好きだから
全部許せちゃうよ

君は言う
僕の顔を覗き込んで
「ねぇ愛してる?」
僕は迷わず答える
「愛してる」
君は
君には少し大きすぎる
僕のTシャツを頭から被り
「簡単に言うのね」と
僕の腕の中から
するりと抜け出し
窓の外を羨ましげに見つめる
猫の背中に絡みついた

「ねぇ愛してる?」
僕はそんな君の背中に向かって言う

「……愛してない」
「本当に?」
「愛してない」
「嘘だね」
「うん。嘘だね」

僕は君を抱きしめる
君は猫を抱きしめる

君は決まって言う
「あたし、わがままかな?」
うん
充分過ぎる程わがままだ
僕は答えの代わりに
キスをする

2008/08/18 (Mon)

[165] generation gap
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彼は若い
確か今年25歳になるんだっけ…
見た目も若い
無造作
且つ
完璧に造り上げられた髪型がそれを象る

はっきり言って
generation gap
話題も趣味も
ついていけない

iPodから流れる音楽も
感想求められても
困るだけ

なのに
彼は
別に合わせる訳でもなく押し付ける訳でもなく
ただ単に
その違いを一人楽しんでる

彼が花火を見たいって言うから
しょうがなく付き合った

花火大会なんて何年ぶり

迷子になるといけないからと
彼が手を差し出す

「迷子になっても帰れるよ」
…可愛くない私

彼はそんな私の手をそっと握りしめた
「俺が迷子になったら困るでしょ」

…ヤラレタ。

2008/08/18 (Mon)

[166] から揚げ
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暑いから窓開けっ放しにして寝ていたら
いきなり蝉が飛び込んできて
あたしが寝てる布団の上で
ブーブー
羽ばたつかせてもがいていた

いきなりの出来事で
びっくりして
思わず布団をはらったら床に蝉が転がって
ブーブー
ばたつかせていた羽も
動かなくなった

夏の終わり
蝉達は最後のトキを
知っているのか
だからいつも泣いているのだろうか

動かなくなった蝉を
夏を精一杯生きた蝉を
せめて土に返してあげようと
そっと触れた瞬間

彼はションベンふりかけ外へと飛び立っていった

あんちくしょう
名演技

次会ったらから揚げにしてやる
って窓から叫んだら

道歩いていたオジサンがビクッとした

2008/08/22 (Fri)

[167] ピリオド
詩人:カナリア [投票][編集]

ピリオドをうった
それは終わりじゃなく、始まりの意味でのピリオド
大きく大きく
鉛筆を胸に突き刺し
ぐるぐると円を描く

ピリオド
終わりじゃない
始まりの意味

なのに痛い
だから
痛い…

この虚しさはどこから?ねぇ
どこまで?

2008/08/25 (Mon)

[168] 男を下げる女
詩人:カナリア [投票][編集]

元彼は8歳年上
身長175センチのちょっと(だいぶ)太め
趣味は草野球(キャッチャー)とフットサル(キーパー)
実家は肉屋
嫌いな食べ物はブロッコリー
デートは横浜
思い出の場所は熱海の夜景
付き合って2年で彼は無職になった
交際期間は3年
無職の彼を必死で支えた1年間

私と別れた直後
彼は直ぐに新しい仕事が見つかった

その間
彼氏いない歴3年

今彼は年下
身長は私より1センチ高い165
割とオシャレ
今風な感じ
交際期間2ヶ月
多分あまり(だいぶ)頭は良くないけれど
純粋で素直で子供みたいデートは湘南
趣味はサーフィン(浮いてるだけ)
特技は絵
そして今日
彼もまた無職になった…

2008/08/26 (Tue)

[169] 赤く 赤く
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時は巡る
時間は過ぎ行き
環境は目まぐるしく
変わってゆく

その中で
出会いもあれば
別れもあり

“たった一人のアナタ”を失う
そんな日もある

けれど

そんな日でさえ
夕陽は街並みを赤く染めいつもと同じ
景色を並べた

突然
置いてけぼりにされた
一人
孤独と不安


そんな
きっと
これからも幾度となく
繰り返すのであろう
変化を

季節の移り変わりと同じぐらい自然に
受け止められたなら

寂しさも
少しは和らいでくれる
はずなのに

今はまだ
喉の奥が
痛くて
痛くて…

上手に息が出来なくて

やり場のない気持ち
届けようのない言葉

すべて夕陽に照らされて赤く
赤く
染まってゆく

2008/09/03 (Wed)

[170] my darling
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深夜3時
君からの電話


…どうしたの?

夢を見たんだ

君は言う

どんな夢?

…誰かが死ぬ夢

君は言う

誰かって…あたし?

あたしが聞く
けれど
君は答えない

大丈夫
生きてるよ

あたしは言う

安心して
ゆっくり寝てね

あたしは君を
夢の中でギュッと抱きしめる

大丈夫
大丈夫よ

君はあたしの腕の中
すやすや眠る

まるで子供

愛しい
愛しい

my darling

2008/09/06 (Sat)

[171] only one room
詩人:カナリア [投票][編集]

狭いワンルームの
君の部屋で

2人
大好きな音楽を流しながら

布団の上でごろごろしている
時間が好き

君は後ろからあたしを
抱きしめて

あたしの肩にあごを乗せる

髭が痛いよって言っても
絶対にどけないし

まるで
抱き枕に抱きつくように

足を絡めてくるから

重たいよって言ったら

重たいよ

って真似された

狭いワンルームの
君の部屋

二人のベストポジションあたしは君の腕の中
君はあたしが腕の中

ねー

なに?

君が喋る度に
あたしの耳にかかる息

少しくすぐったくて
身をよじる


ねー
どうやったらさ
もっとくっつけると思う?

君の真剣な口振りに
あたしが笑ったら

君はちょっとすねて
痛い程にあたしを抱きしめて
優しく優しく
あたしを愛した

2008/09/06 (Sat)

[172] I Can See The Rainbow
詩人:カナリア [投票][編集]

今日彼が捕まった
日本では罪になる
“出来事”

彼の家のポストを開けると
合い鍵

“やっと作ったよ”
彼のメモ書き

部屋に入ると彼のお気に入りの
お香の匂い

脱ぎ散らかされたままのTシャツに

キラキラ光る
CDのレインボー


足に纏わりついてきたのは
彼が愛した
ロシアンブルー

ダーリンの帰りをひたすら待ち続ける
その瞳

あたしは彼女にキスをして
彼女はあたしの涙を拭った

I Can See The Rainbow
君には見えますか?

I Can See The Rainbow
ねぇどうして?

2人幸せだった日々
戻りたいよあの日に
戻れないの?どうして?心切ないよ

I Can See The Rainbow

彼が愛したロシアンブルー
彼を愛したあたしの腕の中

2人

しばらく会えない
ダーリンの面影
☆空に

“待ってるよ”

呟けば見える

I Can See The Rainbow

2008/10/28 (Tue)

[173] Limitless Milky Way
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To My Darling
願いは“笑っていて”

どうかその心
その瞳
その笑顔が
曇ることがないように

2人
出逢った
Milky Way
空の下

語り合った夢も今じゃ
どこかオトギバナシの
お菓子なキャンディ

甘い甘い
2人の蜜度

戸惑い迷い
涙の夜も

いつしか冬の香り
漂う空にも

To My Darling

見えるでしょ?
Milky Way

To My Darling
あの日交わした約束

To My Darling
願いは“笑っていて”

どこにいたって
君を想っている

どんな風に
君は過ごしてる?

甘い甘い
2人の蜜度

冷たい風が通り抜けても
ねぇ?

To My Darling
見えるでしょ?

何処までも続く
Milky Way

Limitless Milky Way

2008/10/29 (Wed)
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