あたしの右手
　消えちゃって


　君とはもう
　繋げない　‥






　ごめんね
　行くよ


　困った顔を
　しないで






　あたしが
　好きだっただけ


　君はあたし
　好きじゃない　‥






　こういうの
　やめにするの






　あたし
　遠くに行くんだ


　多分　君は
　来れないとこ






　だから
　バイバイ　。

　迷子の泣き声
　聞こえたよ

　捜してあげたら
　泣き止んだ




　いつかの約束
　置き忘れた

　思い出せない
　遠くの方へ　‥






　迷子が指切り
　せがんだよ

　忘れた約束
　思い出した






　迷子は私の
　心だったよ

　抱き締めたら
　笑って泣いた　。

　音　景色
　文字　感情　‥




　無意識に
　届くたび
　無意識に
　涙　落ちて　‥




　大きな円の
　中心に
　心を置いて
　見渡した　─‥






　何にも触れず
　閉ざしても
　肌に伝わる
　風がある　‥




　風は　私を
　吹き抜けて
　遠くの愛を
　揺らして
　滲ませた　‥






　呼吸をする
　それだけで
　私は触れ合い
　生きている　‥




　求め合い
　与え合い
　そうして
　ずっと
　生かされていた　─‥。

　願掛けをして
　伸ばした髪




　束ねた髪留め
　解いたら

　いつの間にか
　大人びて




　願いはもう
　叶わぬ事を

　知ったのです　─‥。

　暗い坂道の途中で

　夜空の始まりを探した



　向こうのビルの天辺に

　ちょうど月が

　乗っかるよう



　あの日も同じ

　夜空だったと

　思った途端に笑った



　同じ夜空など

　ありは

　しないのにと　─‥。

　ちぐはぐな夢を
　そこらじゅうに
　描いてみたら
　上手な繋ぎ方も
　分からないまま
　雨に濡れて跳ねた


　通りすがりの
　傘の花が
　クスクス笑ったよ
　おかしな希望を
　引き摺ってるせいだ
　大した事じゃない






　ずぶ濡れの服の
　重たさだけ
　それなりにちゃんと
　愛も傷もある


　目深に被った帽子が
　狭めた視界の分だけ
　大切に守ってる
　正義がある




　時代遅れの最先端
　あの子の笑顔に
　会いたいな
　会いに行くよ






　雨が上がったら
　嫌になるほど
　空は晴れ渡り
　虹はあっちだと
　あの子がこの手を
　取るだろう


　雨が溶かした夢の色
　そのうち消えて
　探せなくても
　悲しくはないよ
　また描けばいいさ


　今度はあの
　笑顔の横で　─‥。

　あなたは多分もう
　覚えてはいないだろう
　言葉




　私は
　今でも思い出すたび
　涙が出るんだ　‥








　あなたはもう
　忘れてしまっただろう
　言葉




　私には
　生涯忘れられない
　大切な言葉　─‥。

　春の声

　何処からか聴こえた



　まだ　雪深い

　真冬の夜





　色付く胸抑え

　桜色のコート纏い

　逢いに行く



　その笑顔に　─‥。

　毎日ずっと
　覚えていなくても
　いいのです


　時折　ふと
　思い出して
　くれさえすれば　‥






　新しい幸せを生きて
　いいのです


　忘れ去らなければ
　いいのです






　思い出とは
　そういうものでは
　ないでしょうか　─‥。

　涙に逢いたくて
　あなたの声を
　思い出す　‥




　笑顔に逢いたくて
　やっぱり
　あなたの声を
　思い出す　‥






　ただ一人の
　あなただけが


　凍り付く
　私の感情を
　いとも簡単に
　溶かすのです　‥








　涙を流したくて
　笑顔になりたくて




　ただ　あなたに

　逢いたくて　─‥。