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高級スプーンの部屋  〜 新着順表示 〜


[545] 墜落
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夢から落ちる様から
目を背けたい
朝の五時五十五分
出来が悪く
非道い作品だった
演じる側だって辛いと
吐いても
ベッドの上には
私がひとり

捜そう
あんなにもリアル
雲だって掴めてたんだよ
続きがあって当然だ
夢じゃない
部屋の外に
彼がひとり

友達は居ない
家族とも疎遠で
社会の隅にて
漫画や小説を
数冊ほど買って
好きな音楽を
聴きながら
読み更ける
部屋の中に
彼がひとり

捜そう
誰を
もちろん
彼を
ところで
私は
どこの
誰よ

夢から落ちる様から
目を背けたい
朝の六時六十六分
出来が悪く
非道い作品だった
観てるだけの方が辛いと
吐いても
ベッドの上には
俺がひとり

捜す人も失く
ラジオをつけた

夢じゃない
部屋の中に
俺がひとり

2006/03/20 (Mon)

[544] すす
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すす
すすす
すすすすす

すすけたかおがすきだ
すすけたかおになれば
たっせいかんがすごい

さいごまで
すすけていたい
いきてるあいだ
すすけたかおでいたい
すすけたかおを
すすけるままに
すすけだして
きみを
すすけさせたい

すすもっと
すすすもっと
すすすすすもっと
すすけたい

2006/03/15 (Wed)

[543] 奇望
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奇妙な新世界に
繋がる扉にもたれ
偉大な死を遂げた
彼等の演説や歌に耽る

共に生きること
頑なに拒み
独り
人里離れた
白い小屋に身を潜め
寂静的な生活に浸る
自分の影にも怯えて
セピアに薄汚れていく

ショットガンや
小刀を使って
私の人生を終わらせたい
だなんて
脆くも美しい結末に
憧れてどうする
字面に完璧キメられてる

計画的愚行に
幻想の文字はない
かの有名な指導者も
ミュージシャンも
望まなかった結末を
あなたは望み
所詮コレは
真似事だと嘆く
根源から
間違ってますから

悲しみは悲しいだけ
苦しみは苦しいだけ
体にも心にも善くはない
負荷追いして
自分を痛め付けて
限界を突破して
扉を開けても
日常が続くだけだから
嫌にもなるわな
日曜も終わるから
ついでに人生も
嗚呼くだらない

空虚しさとは非なる
つまらなさに
向き合えない
特別な部分は
欠片もないと
己を受け容れられず
彼等にすがる

断片だけを見て
神だと判断し
伝説を狂信する
要らない真実を
歪める道具で
頭の中はいっぱいさ

天才達の独創性が
俺を壊しにやって来る
それは無いな
妄想に憑り依かれ
自分を非凡だと
思い始める
それは皆無だな
よくある風景さえ
上手く描けない事
忘れてしまったのかい

この眼は
一番上のCを
左と答えた
それも
わざとらしいな
下手な演技じゃ
誤魔化せないのに

扉を開けられない
言い理由で
頭の中はいっぱいだ
馬鹿馬鹿しくて
笑いも救いもありません

人間は人間なだけ
扉を開けても
日常の続きが
待っているだけ
仕方ないなと諦めろ
いい加減
夢から醒めてくれ
この上誰を
困らせたいんだ

転機の訪れは
春より遠く
怠惰が増して動けない
早めに逝きたいな
それからどうする

格好良く奇抜に
冷静を装い
おどけて笑うとは
傑作の一言に尽きていく

後悔する頃になって
泣き顔で赦しを乞うんだ
分かってるから
もう
やめてくれ

糞尿垂れ流して
醜態晒して
希望は無いのか
まだ探してる


希望は無いのか



2006/03/13 (Mon)

[542] 3月10日
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何もこんな日に
別れ話をしなくても
じゃあどんな日に
まあそうだね

セックスをする時だけ
何か違う
冷静な自分は
後ろに居て
見ているだけ
ひねりのない行為
動物に道具を持たせても
進化しない
ただ気持ち良いだけ

あっさりした笑顔と
深い暗い重い影が妙に
君を際立たせる
気味が悪いね
吐き気がするよ
アンタの顔もね
仰る通り

みんな帰る
いつかは終わる
一昔前に流行った
ポップスを
まだ聴いている
哀 LIKE 愛
そのセリフ何度目だ
使い回しも良いところ

無味乾燥で腐りもしない
つまらな過ぎて
笑けてくるね
目は怖い
見ていない
もしかしたら息も
夢じゃない
裁かれろ尻ショック

別れよう
愛してる
終わりにしよう
最後にもう一回
もうそろそろ
ダメまだイかないで
あっ

単調に曖昧に
すっきりしない
春混じりの空
白い雲に滲む青

一欠片の分際で
完璧を望むから
まともに成れない
卒業しません

形だけの幸せ抱いて
それでも幸せだって
重痛い
今日も明日も明後日も
不幸せな人の分まで
ワガママに身勝手に
不敵に僕は
君は素敵だ
アンタもね
まあね
嘘だよ
まあ

雨音を聴きながら
泣いても仕方ないのに
突き刺さって痛いんだ
止められない
この流れ
桜は咲く遥か前に
散っていました

何もこんな日に
薔薇さなくても
じゃあどんな日に
今日じゃない日に
あっそ

何人かの人は
壊してしまったけど
捨てられずに
大切にもせずに
怖がりながら
痛みを感じない時も
無意識には守れないけど
まだ待ってはいるから
懲りずに
また悔やんでいるから

2006/03/10 (Fri)

[541] 遺さず狂え
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これは試練です
いいや未練です

轢かれたから殺す
それがたとえ
飛び出したのが僕で
悪いのは全て
僕であっても

憎しみからは
何も生まれないなら
実に好都合
それこそが正義

この答が罰でも
残さず食べれば
問題も無かった事に
実にご都合

生きている時だけ
僕だけになるだけ

2006/03/06 (Mon)

[540] 寂しさ静かに過ぎるまで
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アスファルト照り返す
陽の光から目を背け
空を仰いでしかめ面

不機嫌なまま日陰まで
一直線に滑り込み
隠れていると
奪われていく体温
これ以上何も
失いたくないし
寒いし不気味だし
そそくさそそくさ
その場を後にする

ところで俺は
何を持っている
必要なものは
大切なものは
常に不鮮明
手に取ってみても
イマイチで
人も物も信じられない
ケータイを持つ手
震わせながら
電話をかけた

愛が置いてないなら
安心は売ってないか
妙な問い掛けに
電話口の先の
相手は笑った
俺でも耐えうる場所は
俺が居ても良い場所は
まだ
安らぎ求めた先の
相手は本当に
君なのか
笑い方が
いつもと違う
コイツは偽物だ
じゃあ誰だ
怖くなり
電源を切って走った

歪めた顔を戻すよな
楽しい話したいだけ
目覚めたら疲れが
一滴も残ってないような
そんな眠りが欲しくて
愛する人が恋しくて
走った

この俺
どうにかなりそうだ
自分じゃ何を
するのも怖い
誰か
どうにかしてくれよ

上も前も下も後も
見たくないでも
見えているから
生きているから
だからどうした

真夜中に沈んで
溺れて苦しくて
次の日の朝も
スイッチ入らず
力は抜けたまま
明日は来るのか
分からないけど
今は生きている
不確かな命に
まとわりついて
生きろ
君の元へ
逃げろ
早くしろ

どんな目に遭っても
いま生きていること
幸せに感じるのは
人の勝手だろう
口を尖らせ
泣きながら
怒鳴る
お前は誰だ
君に会いに来たのに
もう
訳が分からない

信じているのは
見当違いの答でしょう
何が
だから
誰だ
目の前に居るのは
目の前に映るのは
信じられる君は
何処に行った
疑問符ばかり
浮かぶ部屋

打たれる頬
叩かれる胸
泣きじゃくる誰か
誰なんだ
なんで泣いてんの
何してんの
笑ってしまう
混乱だ

馬鹿馬鹿馬鹿
罵られる俺
うるさいなもう
黙れよって
抱き寄せた

信じられる君
居ない今
何疑っても
意味がない
黙って誰かを
抱き締めた

寂しさ
静かに
過ぎるまで

2006/03/04 (Sat)

[539] 先に行って
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早熟な身体を露呈し
誰彼構わず語りかける
艶のあるコトバや
若さや危うさに
靡かない心
完全に乾いている

誰かの秘の内を晒した
告白本がズラリ
見える位置に並べるな
もういいよ

生きる意味も分からずに
日々の生活に疲れた若者が
さらりと死ぬフィクション
爽やかに呆気なく
青春を終わらせて
読み返せば
また始まって
何やってるの

もういいよ
感傷系の微温い音に
項垂れながら浸かって
抜けられない頭で呟くな
説得力に欠けるから

もういい
もういい
もういいから
次に行って

小さくて黒い
逆三角形の茂み
濡らした愛を舐める
飢えを満たすように
美味しさも感じずに没頭
獣の頃を想起させる

始めから汚れていた
無理に洗い流すうちに
忘れてしまい勘違い
新しく出来た染みを
見ては嘆き
ヒトは皆
真っ白な生き物でしたとか
後からなら
何とでも言えるよな

なら言うな

車に乗って
列車に乗って
猫になって
なんでもいいから
次に行って

目的も
地位も名誉も
意味もない
もういいから
次に行って
先に行って
いいから行って
行って

風にでも靡け

2006/02/25 (Sat)

[538] そこでやめるかやめないか
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明かりを消した空の下
眠りの後にあるものを
寝る前に思考し不眠症

甘いインフェルノ
一体どうなってるの
目と鼻の先に
浮かぶ理想郷
数時間半程進んでも
変わらず目の前に
ぶら下がってる

月の裏側に不時着し
助けを待たずに進み出す
地球から見た時は
直径十数ミリだったのに
寒くて凍えて
今にも固まりそう

あと一回
もう一回
もう嫌だ
あと一回

耐えられない
絶えてしまうか
堪えてみようか
どうしたものか

最初の一歩から
網膜にこびりついて
離れなかった傑作も
視界に入らなくなった
異常事態に周章狼狽
緊急事態に疲労困憊
予期せずにバイバイ

手中に
胸中に
渦中に
焼酎を飲んだ
心中察してくれますか

そこで
やめるか
やめないか
選ぶ頭は頭にあるか
もしかしたら
始めから何も
あるいは
空の彼方にあるか

トリック暴けず
夜が明けて
答を開けたら
お早めに
振り返りやがれ
過去に何があったか
見てられない
これ以上はもう
振り返らない

振り向けない

夢は
夢を見る前だけに見る
大抵は余興みたいな
見せ物かどうか
偽物じゃないと言ってくれ

正体不明こそがリアル
蜃気楼の出口に利ある?
運も税も込みの実力で
何を手放し
何を手に入れる
高望みじゃないなら
掴めるのか
諦めたなら
さっさと店を出ろ
冷やかしなら帰れ
言われたら本当に
席を立つの
言われないと
やる気にもなれないの
言われなくても
分かってるなら
示してよ
記してよ
この先の展開を早く
見せてよ

そこで
やめるか
やめないのか
どちらを選ぶの
選ぶ権利あるの
予め
選ばれし者なの

そこで
止める
辞める
病める
やめないか

そこで

2006/02/24 (Fri)

[537] 安らぐ心を挑発的に
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遠い目をして
間近な君すら
見えていない

不安で解けない
扉に背を向けて
平気で居られる神経が
信じられないな

安全か
向こう側から
侵入者は来ないんだ
そうなんだ

安心なんてあるんだ
初耳だ
信じてるんだ
絶対なんだ
そうなんだ
忘れたんだ
怖くない時あるんだ
へぇ
そう

ふぅん

2006/02/19 (Sun)

[536] キめてから飲まないと決め
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始めから
選択の余地が無ければ
仮定の話もしなかった

アレヲコウシテイレバ
コレハアアナッタノニ

あらゆる場面から
身を引いた
カメラに映らないように
距離を取った
後になって
編集した映像を
明るいところで
少し離れた場所から
観ていたら
ふと

考えもしなかった
考えても仕方なかった
幸せな結末や
努力する過去
夢への実績
人を愛する気持ちが
どんなものか
考えることもなかったのに
観ていたら
ふと
考えてしまった

生まれ変わっても
もう一度
自分として
同じように
人生を歩みたい
そう思える人生を
望んでばかりの人生を

送って
送って
巻き戻して
リピードして
後悔したり
懺悔したり
あの場面で
泣いていたのは
後から観ていた
自分だったと
観ていたら
ふと
気付いてしまった

カットしていただけだ
自分を
あらゆる場面から
後から
あらゆる場面で
自分を
上手い具合に登場させて
美味しい思いをしたくて

頭にあった出来事を
本当にあった出来事に
実はそうだったって事に

出来ないと
観ていたから
ふと
気付いてしまった
観ていたら
ふと
考えてしまった
今この瞬間の僕には

今この瞬間の僕が
必要とするイマを
現在になってから
求めたって
どうにもならなくて

手に入らないなら
最初から要らないと
更に
考えてはいけないことを
考えなかったし
考えなかったら良かったと
更に
考えて
観なければ良かったと
それならもっと前に
停止ボタンを
押せば良かったと
観ていたら
ふと

停止ボタンを押せるのは
出来た映像を
観ていたら
ふと
考えていた
今この瞬間の僕だけだと
気付いた

あの場面の僕が
ふと
気付いても
考えたとしても
観ていないから
押せないから
観ていてももう
やり直せないから
やり直せないならと
観ていたら
ふと

2006/02/19 (Sun)
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