誰かの為に書いてない

でも これが

誰の陰より
濃くあればイイ
暗くあれればイイと思う

そうある事で

少しは
アナタがアナタを
見る事が出来るだろうから

少しでも見えるなら
だから君にこれを遺す

全てが
消える
この瞬間

何者でもなくなれる

だから
書いてるんだよ
それだけだよ

聞こえてる時も
見える時も
空白を探してる

いまこのトキも求めている

私は
死ぬ事は
怖くはないんだ

君が
死ぬ事が
怖いと思えるなら

幸いだと
私は思うよ

失って
怖いモノが
在る
って事

だからね

月が

欠けた

空の上に

水面に

『そして君の瞳にも』

染まった空が

見上げた


天空に


暗闇に


沈んだ灯に

笑ってくれたから

眩い夜空

そっと

唇を告ぐんでしまいました


…空を染めて夜は沈んで…

月から

堕ちた

その一滴が

ここで

ひっそりと

また

瞳を晒して

溢れ

落ちて逝く



綺麗ならそれは美しい
…本当にそうだろうか？…

疲れてしまっていて

なにもかも

朽ち果てていて

荒廃し

錆びかけている


『月明かりだけが輝かしくて』

今日もまた

誰かが泣いていた

小さな笑い声とともに

猫は
死んでいて

言葉
なんて
呟けなくても

そこに死んでる
それだけで

全てを物語っていた


何故、誰も。
気付けないんだろうか？

月色に
滲んで
溢れては
くれなかった


空を濁して
月へと沈み混んで
くすんでしまっていた



この水底で
この水面に
或いはその瞳に

普通じゃない？

…あたり前でしょ…

アナタが
普通じゃないのに
私が普通に見える訳がない

アナタが普通なら
私を異常に思う事はない


…知らないんだね…