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ユズルの部屋  〜 新着順表示 〜


[336] キリンと宇宙
詩人:ユズル [投票][編集]


うとうとした 瞳の奥に
星空が広がっていた
曇り空の下 キリンは
遠い宇宙に 酔わされていた

心にこびりついて 離れない
睫毛の下の 瞬き 一等星
囚われたまま ぼんやりと
影が星を 次々 創り出した

酔わされた キリンは
いつものように
大きな 欠伸をして
広がり続ける宇宙で
今日も 生きている


2015/11/10 (Tue)

[335] 心が跳ねる
詩人:ユズル [投票][編集]


騒がしい あっちへこっちへ
ころころと転がる
もどかしい 跳ねて 腫れて
壊れちゃいそうに

ありきたりで
君が笑えば それでよくって
真剣な目をすれば いとおしくって

結構 くるしい 楽しいけど
やめちゃいたいほど めまぐるしい
もどかしい 跳ねて 腫れて
今すぐ ぎゅってしてくれたら いいのに

2015/11/10 (Tue)

[334] 優しい人間
詩人:ユズル [投票][編集]


優しくなりたい
優しくありたい
けれどなにが優しさかわからない
優しい人間になりたい

優しくなりたい
優しくありたい
けれどなにをしたらいいかわからない
何をしても どんな言葉でも
最初っから優しい
優しい人間になりたい

2015/10/31 (Sat)

[333] 夢の世界
詩人:ユズル [投票][編集]


長い間 とても長い間
気付かないうちに 夢の中にいたみたいだ
還らない それは還らない
そのときになってやっと わたしのいた世界を知る

どれほど 夜空に 想い 預けて
星たちと一緒に 涙を流しても
だれも 知らない 時間
こんなに簡単に ふと 独りなるんだ

わたしが 手に入れるものはいつも
夕焼けの 桃色の雲みたいに
儚くて 儚くて 泣けちゃうばかりだ
留めてはおけない 風の前では
無力すぎて 道にまた迷った

さよならは 気配を消したまま
わたしの真後ろに ずっといたんだね
いつからいたんだろう 気付けたならよかった?
夢にまで見た 夢の世界は
夢のまま さめたときにはなかったみたいだ

淡い心が 叶ったときの
胸いっぱいのしあわせ

ふたりで 冬の午後に
飲んだカフェオレの味

儚くて 儚くて 泣けちゃうばかりだ

さよなら また 会える日まで
さよなら 夢の 夢の世界




2015/10/25 (Sun)

[332] 行ってしまった
詩人:ユズル [投票][編集]


まるい月に見つめられて
楽しそうな 星たちの群れの中
ぽっかり浮かぶ さみしい真実
“ 変わってしまったのは 自分 ”

世界は いつも こんな色をして
変わらず きらきらしていたのに
気付かないで 景色が変わったと
思っていた 思っていたの

眠りについたまま 目覚めない
月を綺麗だと思う 純粋
星の瞬きに酔う 情動
在りかさえ 見失って
夜に紛れたまま

やっぱり どこかへ行ってしまった
僕の知っている 僕はどこかへ
なくしたくないものを ばらまいて

間抜けな僕の 僕の心は
僕を探してくれているだろうか
僕の身体は 相変わらず
今もここに 在るだけ

ぎしぎし音を立てて あの日の想いが
痛みに変わる

やっぱり どこかへ行ってしまった
僕の好きだった 僕はどこかへ

2015/10/20 (Tue)

[331] 自覚
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覗かれすぎて 理解されすぎて
いつか見放されてしまう
そうならないように 距離をとる

たとえばこれが 恋なら
それを 打ち明けたのなら
君は どんなふうに 逃げるかな
それを見た心は どんなに傷つくかな

夢を たくさん 見るよ
眠りさえ 穏やかに やってこない
月日はあっというまで
勇気は 小さな頃 落としたままで

帰るところが 欲しいのなら
この世界で 何かを得なきゃ
争いが嫌いな みんなが
どうにか 争わないで よければいいのに
甘い 甘い 僕の心が
今宵も 夢を見ながら 眠るよ

2015/10/18 (Sun)

[330] 言葉
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それは いつも
カラフルなくだものが 生クリームに包まれた
大きくて 華やかな ホールケーキの
スプーンひとすくい 苺にも届かないくらいの分しか
伝えられない もどかしいもの

それは そのくせ ほんの少しで
しんと冷えた 薄暗い トンネルを
ひとり歩く 冷たく恐ろしい足音になったり
暖房の効かない 冬の教室の 窓際で
眠りに誘う 暖かい陽射しになったり
なにより強くて きみのすべてみたいなもの

わたしたちは それを使う 生き物だから
きっと 優しい 生き物だから
もっともっと 大切にして
それを それを使う わたしたちを

2015/10/13 (Tue)

[329] 不思議のダンジョン
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たくさんのものを持って生まれてきたんだけど
全部が全部 いいものじゃない
それも いいもの 悪いもの に分けられない
ときによってそれはいいもので
あるときはそれはとっても悪いものだ

難しい問題を 抱えこんで
夢見ることだけが たよりの君が
何気なく笑ったら ほら また世界が変わるんだ
だから しがみつくには
頼りないものだけれど
その頼りなさこそが なんだか 真理な気がしてる

まよいながら 行くしかない
間違いながら 行くしかない
いつもいつも 繰り返し しんどいのは
しんどいまま なのに きっと愛おしい
悟ったような気がしたこと
きっと明日にはおさらばだ

明日には まよいながら 行くしかない
それだけが きっと 僕を支えてる

2015/09/23 (Wed)

[328] 初恋
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あのひとが 私に 向ける笑顔
それはね
海に浮かぶ 岩たちを
真っ暗な影に変えてしまう
まばゆすぎる 夕陽の輝き


いつか 叶うなら
道行く木陰の 妖精にだって
微笑み 優しくしてあげたいほど
かろやかに 翔けていける


口いっぱいにほうりこんだ果実
溢れる 甘さと酸っぱさに
思わず ぎゅっと目を瞑った

2015/09/23 (Wed)

[327] 想像
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そのひとときは その場所だけは
わたし以外 人のいのちはなくて
晴れた日の草原 夕焼けの湖
朽ち果てた煉瓦造りの家
ただ 流れる雲を 瞳に映し
透明な水のゆらいだ音を 聴き
寝そべって 冷たさとぬるさを感じて
いちばんフラットに 何も忘れて

あなたの瞳も 耳障りな人の声も
繊細なわたしには 恐れでしかないの
街が 未来が こわいから
その日のことだけ 考えるだけ

そのひとときは その場所だけは
わたし以外 人のいのちはなくて
そうしたら わたしはきっと 安らいで
微笑んで そして どうするんだろう

2015/09/21 (Mon)
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